最後のｵﾝﾅにして。〝yellow〟 (ページ5)

今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:127,225 hit

▲ ページ5

錦戸side

県大会なう。

暇なんや｡こーゆー時Aが居ればええのに。

女子はあっけなく終わっちゃって…

ってか試合見に来いや。

LINEにしつこく見に来てーって送ってるけど、

用事あります、やら、面倒ー。とか

…LINEの相手くらいしてくれてもええのに。

ま、代わりにコイツ相手にしとく。

Aが県大会前に応援でくれたぬいぐるみ｡

うさぎさん。

めっさかわええの。

気に入っとるん物凄く。

錦戸「はよ帰りたいわぁ。本物がええし。」

小さい小さいぬいぐるみを片手でギュッと掴む。

横山「それ、どないしたん？」

「Aにもらったん！」

横山君に聞かれてよく聞いてくれたっ！てテンションあがる。

そしたら横山君は呆れたようにため息ついて

横山「Aと付き合っとんの？」

あぁそういやあいつから聞いたな。

横山君にそんなこと聞かれてる。って

錦戸「それやったらどーするん？」

横山「…あの子だけは傷つけたら許さんから」

軽いノリで聞いたつもりが重い言葉でかえされた。

横山君に何でそんな事言われなあかんの？

その目は嫉妬やんな？？

横山君…Aがすきなん？

一気に不安が募る。

俺じゃあ勝ち目ない。やってA、横山君の前だとありえんくらい笑うねん。

中学から同じって知っとったけど、仲良すぎるから心配になる。

横山「そんな事よりおわったらAに土産買わな♪」

嬉しそうに微笑んで呟く横山君｡

もう完璧に好きなんだなって分かる。

錦戸「横山君…」

横山「ん？」

綺麗な目をしてるこの人には適わないって改めて思った。

同時に俺は汚れてる事も痛感した。

俺も横山君も、それなりにモテてそれなりの恋愛をしてきた。

でも1個違うとこ。

欲なんかに飢えてない。

横山君はどっちかって言うとピュアや。

逆に俺は…今まで付き合った彼女と、必ず１回した…にはいる。

何も感情もなしに抱いて…

そんな事Aが知ったら…考えるだけでも怖かった｡