最後のｵﾝﾅにして。〝yellow〟 (ページ38)

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錦戸side

現在＿＿＿

だからあの時すべてわかってるのに。

今でも横山くんと会いよるって知ったら焦りが出る。

錦戸｢A。｣

無意識に呼んでしまってる。

大倉｢亮ちゃん！！Aちゃんはおらへんで？｣

ハッとする。

あっ、今大倉と仕事中か…

錦戸｢いや、すまん。｣

大倉｢しっかりしてやー。PV撮影やのに。｣

せや。

もうあの出来事は何年か前の話や…

Aとは3年くらい続いとるやんけ…

なんで今更びくびくしてんのやろ…

横山君に取られるなんてまた思ってまうなんて。

大倉｢なんかあったん？｣

錦戸｢横山君が帰ってきた。｣

大倉｢あ、横山君ー？ほんまぁ？うわぁ会いたいわー。｣

キャピキャピ女子みたいにはしゃぐでかいヤツ。

大倉｢そーか、横山君とか懐かしい名前やなぁ…。中学の時生徒会一緒してたんよ！｣

錦戸｢Aに聞いたから知っとる｣

大倉｢何？亮ちゃん。もしかして、横山君や俺より先にAに出会いたかったってや？｣

…

大倉｢へへ、図星♡｣

こいつほんま殴ったろかなぁ…

大倉｢まぁー。俺はもう終わってるよ。｣

ポツリと寂しそうに微笑む。

大倉｢1度、失ったから、もう利用されるだけの男になってしもた…それでもいいって言ったんは俺やけど…笑｣

Aは優しいからなぁ…って大倉はいう。

利用??

知らない話。

知ってるようで知らん。

大倉｢あれ？知らへんの？この話。｣

錦戸｢お前が…｣

大倉｢俺、亮ちゃんが最近冷たいからって聞いたから無理やり襲おうかしたん。｣

…あぁその話はしっとる。

大倉｢ま、利用された。｣

錦戸｢やから、利用って……笑｣

少しだけ…

いや。

絶対違うって思いたくて…

苦笑いになりながらも問いかけた。

大倉はふっと意地悪な笑顔でいう…

大倉｢…ええことしたっていうたら？｣

錦戸｢…何やそれ…｣

大倉｢さぁね。本人から聞いてないなら何も解決しとらんのな。｣

錦戸｢なぁ。大倉!!何したん？｣

大倉｢俺に聞くよりAに聞いて。｣

そんな大倉を睨む。

大倉｢亮ちゃん、言うとくけどほんまに俺らは終わってるで？横山君は知らへんけど。｣

キラキラ笑顔を向けられてもな…
もう不安しかないねん。