最後のｵﾝﾅにして。〝yellow〟 (ページ18)

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久しぶりに会った元カレは変わったようで

変わってなくて

さらに腹たちました。

結局お前の＂好き＂はその程度だったんだな。

って

分かるくらいあっさりした諦め方｡

クソかよ、あいつ。

.

錦戸｢Aちゃーん、こっちおいで｣

ベッドの上でひらひら手を振る亮君。

本日は忠義が言ってた地元の花火大会の日｡

会場に行く前に亮君ん家でのんびりして、浴衣の着付けして｡

亮君ん家からの方が近いからね。

あたしも亮君のとこ行きたくて
ウズウズしてたからドーンと抱きつく｡

嬉しそうに笑ってくれた。

.

｢ねー、亮君｡｣

錦戸｢んー？するの？｣

｢んんー…怖い？｣

恐る恐る聞いたら、

亮君は優しい顔で笑ってくれた。

錦戸｢怖くないで。でも嫌ならせぇへん。｣

少しだけ寂しそうな表情も見えた気がした。

ホントはね…

ずっと思ってた。

ずっと…

でもなかなか言えなかった。

恥ずいじゃん。

｢…嫌じゃないよ。｣

錦戸｢…?!｣

｢…ん、やっぱり何もない｣

笑ってごまかす｡

おかしいよね、やっぱり。

亮君はまだまだ先って言ってるのにね｡

錦戸｢何でもない訳ないやんな？｣

｢…っ。｣

錦戸｢勇気出して言うてくれたんやろ？認めてええで？｣

優しく髪を撫でるからまた募る。

あなたの全部が欲しいって…

錦戸｢大丈夫やから。｣

そう言うから…
答えの代わりに軽くキスをした。

ふふって笑う亮君｡

なんかはずいってば…//

錦戸｢なんも、恥ずかしがる必要ないで。｣

亮君の目が本気になったとき、

あたしはキスの魔法をかけられる。

もう嫌って言わせない為のテクだってことすら分かるのに、

そのキスに溺れてく。

錦戸｢Aの初めて、もらうな。｣

その日、初めて亮君とひとつになった。

すっごく痛くてでも幸せな痛みだった。