最後のｵﾝﾅにして。〝yellow〟 (ページ16)

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大倉｢Aがこの部屋におんの何年ぶりやろ？｣

｢そうー久しぶりだね。｣

大倉｢ほんまに勉強するんか、ガリ勉｡ええから久々に話そうや。｣

｢話ならしながらでもいいでしょ。｣

眠くて眠くて仕方ないから
さっさと終わらせるつもりなんだよ｡

邪魔するなら黙ってて。

後からお説教されると思うと辛いけど…

仕方ない。

大倉｢んー。A、これ一緒行かへん？｣

忠義が見せてきたのは
地元の花火大会のチラシ。

ああ、毎年友達と行ってた祭り｡

大倉｢俺ら、去年行くって約束しとったけどその前に別れてもうたやん。｣

…誰なんだよ、別れを切り出したやつは…

今年は違うの。

去年あんなに楽しみにしていたけど…

今年は倍楽しみなんだし｡

｢ゴメン、それ彼氏といくから無理。｣

大倉｢は？？彼氏？おるん?!｣

｢おるよ。二つ年上なんだけど。｣

大倉｢へ、へぇ…。何ヶ月なん？｣

｢二ヶ月くらいかな？｣

大倉｢うお、青春しとるー｣

｢ん、…｣

しばらく沈黙。

忠義、それ無理してるでしょ？？笑

｢忠義も彼女くらいすぐ出来たでしょ。好きな子誘いなよ。そーゆーの！｣

大倉｢彼女なんかできへんよ？｣

ぐいっと腕を掴まれた。

持っていたペンを落としてしまう。

大倉｢好きな子とか…Aやもん。｣

｢はぁ？あんた何言ってんの?!｣

大倉｢好きっていうとんのー。｣

嘘だろお前。

大真面目にこっちは聞き返してんのに、

ふふーん♪と音符が付きそうなくらいマイペースなヤツ。

｢あのさ、わかってる？あたし彼氏がいるの。｣

大倉｢おったら好きでいちゃあかんの？本気やで？俺。｣

急に真剣な表情になるからドキッとする…

大倉｢ずーっと未練あんねん。馬鹿みたいにAがすきやわ。｣

ふざけたカケラもなくてただびっくりした。