最後のｵﾝﾅにして。〝yellow〟 (ページ14)

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いつも通り、
亮君の手が服に入りかけてきてビクッとした。

錦戸｢なんで？怖い？｣

言いながらも止めないくせに

｢やっ、んっ、違う｡｣

錦戸｢ん？…初めてした時不器用やったんのに。｣

小さく声が出る。

なんで?

なんでそんな目してんの？

｢亮君にとっての初めてはあたしじゃないじゃん。｣

錦戸｢ ?! …｣

少しだけ表情変えた亮君に、
あぁ言っちゃまずかったって思った。

いつから
お互い顔色疑うほどになったんだろう。

｢んっ、やっ…｣

錦戸｢…ほんまにさ、Aだけって。｣

…あのさ、こっちが泣きたくなる。

怖いの常に、

あなたの本音を聞くのが｡

どの言葉を信じたらいいか分からない。

錦戸｢この顔、大倉や横山君も知っとんの？｣

低くて…

冷たくて…

目の前の亮君は一瞬だけ知らない人に見えた。

｢亮君｡｣

錦戸｢…俺から離れんといてや。｣

離れるとか一言も言ってないのにね｡

全部を知ろうとしないんだよ、亮君は。

お互いそんなこと気づいてるはずなのにね。

｢離れないよ。｣

亮君、こんなんであたし達付き合ってるって言うかな？

錦戸｢ん、ありがとな。｣

ほっとしたように上から笑顔を見せる亮君｡

あなたの笑顔が好きだから見たい。

けど今の…

亮君の笑顔はあたしの好きなものじゃなかった｡