最後のｵﾝﾅにして。〝yellow〟 (ページ13)

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現在
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｢亮君、明日も朝から仕事？｣

錦戸｢おん、大倉と音合わせやから。｣

あたしは大学生｡
亮君は歌に専念してる。

美声だから知ってたけど
スカウトされて

たまたま忠義と同じグループになるなんて…
思ってもなかった話。

亮君が1人暮らしを始めた頃にあたしは大学進学したから今じゃ同棲してる。

｢そう。人気者だね。｣

錦戸｢そーでもないで。大変やし｣

それ、人気って言うんだよ、アホが…

なんて心で思ってても絶対言わないけどね。

亮君はだるそうに風呂場へ向かう。

少しくらい彼女の課題やら何やら気にかけてくれたっていいのに。

高校時代からあたしのこと興味無いのは分かってるから慣れてるけどさ…

少しくらい態度変えなよ、もう。

｢…っし、頑張ろ。｣

そのままつけてたTVがあるドラマになり始まった、

｢忠義だっ！｣

忠義が出てるドラマ｡

あぁ、そういや、新ドラマあるから見とけ言われたんだっけ？？

今日からだったんだ。

あれから数年経って、さらに忠義もかっこよくなって大人になってる。

TVの中での彼に見とれてた。

あの時の
あんたはまだ純情で大好きだったんだけどなぁ…

不意に過去を思い出してドキドキする。

いつの間に上がってたのか知らんけども、

亮君が珍しく後ろから抱きついてきた。

いやいや…

あなた…

｢濡れてんじゃん。ちゃんと服きなよ｡｣

錦戸｢大倉ばっかり見らんといて｡もうアイツんとこ行かんといて？｣

だからあたしは亮君を嫌いになれない｡

いつも冷たくてあたしに興味無い亮君だけど…こうやって求めてるから、

離れられない。

｢ねぇ、亮君｡別に忠義はっ、｢横山君とも何かあったくせに。｣

…睨まれたってひるまない｡

そりぁあたしがした行動は最低かもしんない。

けど、

亮君が今までしてきた事と同じだとしたらそんなこと言える立場なはずない。

錦戸｢いつからそんな男遊ぶよーになったん？｣

答えようとするけど…

何かとこの人はあたしの弱いキスで答えさせてくれない。