枯れた涙跡《赤》 (ページ29)

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29→subaru ページ29

渋谷｢はぁ。｣

ずーっとため息｡

なーんも考えられへん。

ｶﾞﾁｬ

横山｢まーた、サボりか…｣

渋谷｢ヨコもサボりにきたんやろ？｣

横山｢ちゃうわ！ヒナがうっさいねん。すばる連れて来いって。｣

ヨコが渋々頭かきながら、俺に近寄る。

横山｢すばるの気持ちわかるわ。わかるんやけど、逃げてんのもアカンと思うで？｣

俺が逃げとる？

誰から？

いつから？

横山｢ヒナ、気づいとる。お前の好きな奴。｣

渋谷｢や、何いうとんの？｣

横山｢お前の好きな人Aやろ？｣

そうなんかな？

俺、ほんまに好きかな？あいつのこと。

いや、ないな。

うん。

あれから姿も見てなくて、

欲しいと思わなくなった。

どうしても手に入れたかったあの一輪の花を…

いつの間にか…

見なくなって…

忘れてるんや。あの時の気持ちを。

渋谷｢悪いけど、勝手に決めつけんといて？｣

横山｢すばる？｣

ヨコをシカトして、先に屋上から出る。

ほんまに俺は…何してんやろな？

屋上なんか、用もないのに、

サボりって嘘ついてまで行くとこか？

…あーぁ、

逃げてるってこれやんな。｡