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校門出たところで、離された手。
渋谷「よく考えたらアホやんな。ヒナおんのに手繋いですまん。」
小さい声で渋谷君がそう言ってきた。
「あっ、…ううん。」
帰らないでいるのかな？
渋谷君はそのままあたしの隣を歩いてくれてた。
前にはいつものように見ていたヨコと真澄。
あたしの右隣は渋谷君。
左隣は信五。
何も話してなくて気まずい。
渋谷「アホかッ、話せや。」
「えっ、と…何を？」
渋谷「ヒナとおるんやで！なんか話さな‼︎」
「あ、はい。」
そーだよ。
久々に一緒だから。
渋谷君はいるけど応援してくれてるみたいだし。
ん、？
応援してくれてるんだ。
何だろう。
少し複雑だな。
「信五…久々だね。」
村上「そやな。つか今日よー会うな…」
「あたしも思った！」
渋谷「ふーん、お似合いやん。」
隣でニヤニヤしながら
言ってきた渋谷君…
村上「アホっ！そんな事簡単に言わんといてや//」
渋谷「ヒナ？照れとるー？w」
村上「おいっ！からかうなっ！」
渋谷「何やねん。どつかんといて…」
2人が仲良くしてるのは初めて見る。
ッ…なんでなんか辛い気持ちになってんだろう。
渋谷君からの…
お似合い…なんて言葉聞きたくなかったな。
渋谷「A？何突っ立ってん？」
村上「ほら…来い。」
ぐいっと信五に腕を引かれて…
高鳴る鼓動。
あたしって何考えてんのかな？
渋谷君は笑ってた。
あたしと一緒にいることはもうなくなるんじゃないかってくらいに…
不安を持ってしまった。
渋谷「あ、ヨコ。俺こっから別れる。」
横山「お前そっちちゃうやん？」
渋谷「や、バイト‼︎」
村上「は？いつからしてたん？」
渋谷「まぁ急いでんから詳しいことは明日なっ？」
バイト？
してたの？
忙しいのにいつもの一緒に帰ってくれてた？
去り際に渋谷君は耳元で囁いた。
渋谷「ヒナとはええ感じやん。頑張れな？」
去って行った背中を引き止めようとも思えなかった。
もう少し信じてみようかな？
信五の事。
渋谷君ありがと。
人を好きになったら…
両思いになることを願うけど、怖いと思った。
両思いになって、辛くなるくらいなら…
好きになんかならなきゃよかったって。
どんなに好きじゃないって言い張っても…
村上「久々に送るわ。」
キラキラの笑顏を向ける信五…
好きだと思ってしまうのが恋。
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作者名：りりん∞
| 作成日時：2015年3月20日 18時
