20→subaru ページ20
机にぷっ潰して…
渋谷「zzzZZ」
横山「あかん…寝とる。」
微かに隣からそう聞こえた。
寝てんじゃない。
寝たふりしてんの。
横山「まぁすばるが授業出とるだけで珍しいもんな…」
顔はヨコに向けないまま声かけてみた。
渋谷「なぁ、ヨコ。」
横山「⁈えっ、へっ？すっば…すばるっ⁈」
ガタガタと音を立てて椅子から転けたヨコ。
「横山っ⁉︎何してんだ？」
横山「いえっ、あのっ。しゅばるがっ、」
しゅばるっっ？wwww
笑いを耐えるしかないやんか。
渋谷「くっwwへへっ」
「渋谷っ‼︎起きろ！」
渋谷「起きてまーす…」
横山「起きてたんなら顔むけろや！びびったわ‼︎」
「おいおい黙れ。授業進まんから、」
ヨコ…授業の邪魔やろ。
一通り落ち着いて授業が始まった。
横山「すばる、なんか言うてへんかった？」
渋谷「おん、あんな…ヒナとAってどー思う？」
横山「ん〜。まぁ、そんなものやったんかな？って？」
渋谷「…俺な、2人より戻しそうな気がすんねん。」
横山「え？そんな事あらへんわ。話してへんやんあの2人」
話してる、話してへんって訳ちゃうやろ。
好きやったらそうなるもんやない？
横山「すばる？」
渋谷「みーんな未練あんな。」
横山「え？」
渋谷「ヒナ好きやろあれ。」
わかるし、そんくらい。
一緒におったんやから。
Aの事は…
あの時ちゃんと聞いたねん。
渋谷『ヒナが好き？』
『好き。信五の事は諦めきれない。』
あの声に…
あの瞳に…
あの涙に…
俺はいなかった。
俺やなくて、ヒナやった。
あいつにはヒナしか見えてへん。
声でわかる。瞳でわかる。
わかってしまうほど、
俺は。
渋谷「…好きなんや。」
…そーとー重症。
呟いてまうほど好き。
横山「え？」
渋谷「気にせんといて…」
寝たふりしたのは…
見たくなかったから。
この教室から、屋上が見えんねん。
遠くてもわかる。
一番会いたい人の姿。
その隣に…ヒナがおるから。
二人は…笑ってた。
俺の前ではあんな風に笑ってなかったAがいた。
ヒナやから笑う。
ヒナやから…泣く。
全部ヒナがおるからAが…
・
なんで、
ヒナを
想って 泣いて 笑ってた
あいつに恋したんやろ？
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作者名：りりん∞
| 作成日時：2015年3月20日 18時
