枯れた涙跡《赤》 (ページ14)

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渋谷「…迷惑や。」

本音言え、言うから言ったやん。

そしたら

「あ、…っ。だよ、ね？」

また泣き始める。

おいおいおい、なんか勘違いしとるやん！

渋谷「や、ちょっ、ほんま泣いとるやん‼︎」

「ごめん、ずっと聞けないでいたの。そうだったよね。」

渋谷「いや、お前…勘違いしとるって、あんな俺は、おm…⁈」

そんな言葉さえも聞かずに屋上から去っていったA。

おい。人の話最後まで聞いてけや。

Aのくせはいつもそれ。

人の話聞かんうちに行動してまう、

でも、今は追いかける気になれんやった。

迷惑…

ほんまにそう思ってるもん。

やって…この気持ちどないしてくれるん？

俺な、Aが
ヒナの彼女やった時から好きやったんや。

そんで、やっと近づけたおもたら、

あいつはまだヒナのことばかり

けれど、いつも俺がサボってると、

1日1回必ずここに来てくれるから、

期待してしまうねん。

渋谷「Aのアホ…好きなんや。ボケ。」

どんなに好きでも、

届かへん…

あいつはヒナが好きやから。

ほんまはヒナより先に俺が見つけてた。

あの笑顔に惚れた。

泣き顔なんか似合わへんって思ってたら

ヒナを想って泣くAの姿は

ほんまに綺麗やった。

それが悔しかった。

はぁ。

ほんと俺の気持ち知らんで振り回すよな。

渋谷「俺の前でだけ泣けや。」

それでも、俺のモノしたくて

やっぱ追いかけてしまう俺も

未練タラタラなんや。