枯れた涙跡《赤》 (ページ12)

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信五と別れてから二週間経つ。

あれからというもの、

二週間ずっと渋谷君は
あたしと一緒に帰ってくれた。

渋谷君は優しい…でも、たまにSになる。

「でさ、今日もたまたま門の前で会っただけなのに…“俺の隣歩くとかいい度胸してんで！”って‼︎」

横山「すばるやわー、それ。笑」

「ちょっと！笑ってんじゃないし！ヨコ聞いてる？」

横山「聞いとる‼︎聞いとる。あはははは」

いや。笑いすぎ。

腹立つ。

まだ笑いが止まらないヨコを睨む。

絶対わかってないよね。

横山「下ネタ言うやろ？あいつ。」

「そーそー。噂かと思いきやほんとに変態。」

横山「すばる、脱いだらエッロいで。///」

聞きたくないこと聞いてしまった。

つか、自分で言って照れるなら

言わなくていいのに。

横山「すばるのこと好きなん？」

「ねぇ。この話のどこであたしが渋谷君好きになってんのよ。」

横山「え～。仲ええもん。」

いや、それを言うなら…

あたしとヨコも同じだと思うけど？

「それにさ、あたしはまだ信五が好きなの。未練タラタラ～。」

横山「…そんなに引きずって何か変われるん？」

「変わろうとしてないよ。ただ好きだから。別に無理して諦めなくていいでしょ？」

横山「それ、お前、すばるに言われたやろ？」

なんでこいつが知ってるのかな？

そーだよ、渋谷君が言ってくれたよ。

無理して諦めんなって。

「渋谷君の言葉に何度も救われた気する。」

横山「すばるの気持ちもわかってへんのに？」

渋谷君の気持ち？

横山「あいつがただでお前に付き合ってやっとるんちゃうよ。」

「…」

横山「すばるは、ちゃんとお前のことが…」

「わかってるよ！ヨコに言われなくても、渋谷君の気持ちわかってる！」

迷惑って思われてるの？

本当はわかってなんかないのに…

これ以上ヨコに言われるのが嫌で言い返した。