いわゆる幼馴染ってやつ《黄》 (ページ8)

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08. ページ8

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そして、その転入生が

あたしの心を動揺させると思わなかった

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女子｢久しぶりｯ!! Aちゃん!!｣

え … ?

女子｢覚えてくれてるかなぁ？｣

その女の子はニコニコと可愛らしく首を傾げる

もちろん

忘れてるわけじゃない

｢奈々ちゃん…?｣

奈々｢そぅっ！覚えててくれてたんだぁ!! 嬉しいｯ!!｣

そう言いながらキャピキャピ手を握られる

うん…

昔から元気っ子って知ってたけど
もう付いてけないほどだよね

変わらずブンブン手を振る奈々ちゃんにちょっと困った

あたしの苦手な子なんだよなぁ

小学校が一緒だった

奈々｢Aちゃんてまだ亮くんと一緒にいるんだね｣

あ、早速亮ちゃんの話ね

奈々｢ほんとに偶然だよね!!

びっくりしたぁ… 転入した先に2人がいるなんて!!｣

ほんと恐ろしい偶然だよね

奈々｢ねぇねぇ… 亮くん女嫌いって噂らしいけどまじ？｣

｢まじ｣

だからあなたも多分相手にされないんじゃないかな

あ、でもどうだろ亮ちゃんも奈々ちゃんなら平気かな

奈々｢ほんとなのかぁ… ｣

残念そうな顔をする奈々ちゃん

もちろん可愛いんだけどね

あたしにはちょっとしたトラウマがあるんだ

奈々｢あ、ならさ！｣

ドクンッ_

奈々｢Aちゃん協力してよ｣

ほら来た

奈々｢亮くん、Aちゃんだけはへーきみたいだし｣

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錦戸『A～!! 帰るでｯ!!』

『うん、いいけど… 亮ちゃん、実はね…』

言わなきゃ

ゴメンだけど今日は先に帰るねって

錦戸『ん？どしたん？』

『あ、あのね、ｯ…』

奈々『亮くんにね話あるんだぁ』

なかなか言い出せずにいたら奈々ちゃんが出てきた

『あ。そうｯ!!そうなんだよ！奈々ちゃんが話あるって… だから、先に帰るね！』

そう言い切ってダッシュで逃げ出した過去がある

あの頃のあたし

多分亮ちゃんに恋してた

弱ちっくて、引っ込み思案の自分だったから
奈々ちゃんみたいな強気な女の子は苦手で怖かったなぁ

亮ちゃんを取られたくなくて
奈々ちゃんのこと伝えずに帰ろうって言いたかったけど

そんな度胸もないただの弱い自分だった