いわゆる幼馴染ってやつ《黄》 (ページ43)

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｢え？｣

なんて？

ふわっと前から抱きしめられて

錦戸｢やっぱり物足りひん傍におるだけは嫌や。俺やって男やし｣

珍しいくらい久しぶりにワガママ聞いた

錦戸｢大人になったつもりやってん…

見守るって守ったるって… せやけどごめん

あかん、ホンマに触れさしたくない｣

｢亮ちゃん…｣

なんでサラッと言うの？
十分大人すぎるよ

あたしも思ってることぐちゃぐちゃだけど
ガキだけど亮ちゃんはやっぱり大人だよ

錦戸｢Aが好きなんやもん｣

｢あの……亮ちゃん…｣

嬉しいくらいずっと欲しかった言葉を聞けると思ってなかった

だから勘違いかな？

｢その、好きって……さ、

妹みたいだとかそーゆーんじゃなくって？｣

錦戸｢勝手にシスコンにすな｣

ズバッと言われてますます赤くなる

錦戸｢幼馴染壊したくなかったけど、ごめん｣

あたしも亮ちゃんの背中に腕を回した

ちょっとビクッと動揺した亮ちゃんに思わず微笑む

｢亮ちゃんあたしも…好きだよ｣

言えた
やっと

両思いってわかった途端すんなり言えちゃうって卑怯だし怖がりだって思われるけど

違う

こんなに好きって好きな人から伝わるの嬉しすぎること今までになくて

大切に伝えた

今までより1番大事な好き

錦戸｢… 今更昔の話やって言うんやないか？｣

｢今すごい幸せ｣

どうしよう泣いちゃう
嬉しくて泣くの何年ぶり？

｢好き亮ちゃん｣

伝え足りない…
小さい頃からの大っきい気持ち

錦戸｢ちょ、、待って待って｣

ぐいって離されて
思いっきり泣き顔見られた

錦戸｢え、泣かんで?! な？泣くなやぁ!!｣

｢…ずっと…好きだったもん～怖かったよ

あたしだって、亮ちゃんと離れるの嫌だった｣

錦戸｢わかったって!! 泣き止んでや!! お前泣くの俺弱いねん…｣

｢嬉し泣きなんだよ!!｣

錦戸｢せやねんけどせっかくやから笑て？｣

ぐしゃぐしゃになりながらなんとか涙を拭う

｢離れるのだけは止めて｣

錦戸｢聞けや言うたのに忘れたんか

ますます離す気ないわ｣

怒り気味でそんなこと言わないでよ

錦戸｢ん、ちゃんと恋人なろ？｣

｢うん｣

亮ちゃんはそれに対して満足そうに笑ってくれた

恋人は別れるから離れるのが怖かった
でも今わかる気がする
澪と大倉の気持ち

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