いわゆる幼馴染ってやつ《黄》 (ページ36)

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ゆっくり振り返った彼

あ、嫌そうな顔した

そんでまた素っ気なくするんだね

｢亮ちゃん～～｣

走って隣に並んで亮ちゃんについてく

ほら
やっぱり大人だねあんた

あたしが隣に並んで歩き始めると歩くのをゆっくりめにしてくれて

でも表情とか全く変えないくせに

｢寂しいくせに強がんなよー笑｣

錦戸｢はぁ？｣

｢亮ちゃん一緒に帰れないと泣くって言ったじゃん｣

錦戸｢泣くとは言うてない！｣

でも一緒に帰りたいってストレートには言ってくれないんだよね

｢言い出しっぺが先に帰るのは良くないぞ｣

錦戸｢…｣

ふふふ…
やっぱり…亮ちゃんだなぁ

｢亮ちゃん｣

錦戸｢…｣

何無視？
ほんとに可愛くないガキ

｢亮ちゃんねぇ …亮ちゃん｣

ちょっとくらいは返事してくれたっていいじゃん

いつまで経っても変わんないよね

あたしと亮ちゃんの関係性って

あ、どうしよう
なんも反応してくれないから

本気で怖くなっちゃった

あれかな？
まだ先輩の事怒ってる？

あバカ糞ガキって言ったこと根に持ってんのかな？

自信なくしちゃった…
振られる覚悟で探しに来たっていうのに

思わず足が止まる

｢亮…｣

錦戸｢お前なんで呼び捨てやねん｣

…やっとこっち向いた

相変わらず不機嫌そうな顔して

｢亮ちゃん｣

錦戸｢…… なんなん、なんぼ呼ぶねん｣

そばにいたい

ずっと隣にいたい

伝えたいのに出てこない

錦戸｢ほら、はよ帰んで｣

また歩き出した亮ちゃん
追いかける気もない

今は本当に亮ちゃんが分からない

優しくしたり反応なしで冷たく無視したり

なんなの

どうしたらいいの

好きだって思いっきり認めたらさらに混乱しちゃうし

｢亮ちゃん…｣

さっきからあたし亮ちゃんってしか言ってない

思わず俯きかけた時

わかりやすいため息が聞こえて
あたしの元に引き返す足音がした

顔を上げるとだるいって顔した亮ちゃんがいる

それはそれはもうわかりやすく機嫌悪くって

｢亮ちゃん …｣

錦戸｢…｣

｢うさぎさんになっちゃうよ？笑｣

なんで今こんなどーでもいい事言っちゃってんだろ自分ってから笑いした

その瞬間ぐいって引っ張られて

気付けばよく知ってる匂い

大きくなった亮ちゃんはあっさりあたしを包みこんだ

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