いわゆる幼馴染ってやつ《黄》 (ページ35)

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｢やだ…怖い離したくない｣

澪｢いやいや、我儘言うなし笑｣

なんで笑ってんの
こっちは怖いんだよ

今更彼女出来たから今度こそ離れるんだって

離してやりなって言われて
サラッとお幸せにって離せるような器用な女じゃない

そこまで出来るいい女じゃないもん

今までは散々作ってきた理想の自分だよ
亮ちゃんいなくても幸せ～な自分演じてんの

｢あいつあたしがいなきゃうさぎさんになるって泣くから｣

澪｢それ錦戸じゃなくってAの方じゃん!!笑｣

ポンポンって頭を撫でてくれた澪

澪｢先輩の優しさ無駄にすんのだけはよしな｣

不意にさっき先輩に背中叩かれたことを思い出した

澪｢大丈夫あんた達は壊れないよ

そんな脆くないでしょ？ 2人のいた時間って｣

｢…｣

澪｢行っといで｣

無理やり押されてよろけた
少し振り返ったらニコニコしてるし

なんなのもう…
なんでこんなに強引なんだよ

重い足動かして歩き出した

冷静にちゃんと亮ちゃんの事考えたくて

亮ちゃんと恋人

そんな風なりたいって思ったことはあるけど本心じゃない

だってね

ならなくても一生一緒にいるんだァって勝手に思ってたもんね

お互いに特別な相手が出来ても
きっとこれは続いてくって

でも我慢出来ないもんだね
ほかの子がそばにいて
ついでって感じで自分が隣にいるとか耐えらんない

亮ちゃんごめんね
好きな人出来てもそばにいてくれてありがとう

怖くないように寂しくないようにずっとなんだかんだ構ってくれてありがとう

考え出したら止まらなくって

体の方が正直で

恋人を望むより

今は君に会いたいなって

やっと見えた後ろ姿は何度も見てきてた見慣れた背中

あんなにおっきくなって
肩幅広いじゃん

あまだかかとあげてる

懐かしいなぁ…
あたしより身長低かったの嫌だったんだねそんなに

あのころの亮ちゃんずっと背伸びして
俺が高いって言い張ってたなぁ

あの癖残ってんだ笑

ごめん
亮ちゃんよりも好きになれる人見つけようって努力したんだ

でも無駄だった

亮ちゃんに好きって気持ち伝えてバッサリふられなきゃきっとこの先亮ちゃん超える人に出会えない

｢亮ちゃん!!｣

何度も何度も呼び慣れたこの名前を

あたしはいつまで呼べる？

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