いわゆる幼馴染ってやつ《黄》 (ページ26)

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渋谷｢ふーん幼馴染｣

先輩と共通の話題とかあんまないから
自然と亮ちゃんの話になってくわけで

渋谷｢ええやんそーゆーの｣

楽しそうに聞いてくれる先輩だからつい話してしまう

｢楽ですよ｣

渋谷｢楽？｣

澪がね
言ってたね

幼馴染が楽だって思ったら全て終わりって

ふと、お店の外を眺めてみたら

見覚えのある人がいた

｢ｯ?! ｣

亮ちゃん？
なんで…？

渋谷｢Aちゃん？｣

｢楽なんですやっぱり幼馴染でいるのが1番いいんですよ｣

先輩が心配そうにしてるのがわかったから

せめて顔を見えないように視線を変えず言った

｢ふふふっ彼女出来たみたいですね｣

渋谷｢え？｣

咄嗟に笑顔になって先輩に分かるように窓の外を指さした

渋谷｢亮か｣

奈々ちゃんに腕組まれて歩いてる亮ちゃんの姿

女の子大丈夫になったんだ

いつの間にそうなったんだろ？

こんなふうになるのを願ってたんだよね

彼氏が出来たら毎回嫌味言われた

錦戸『どうせ上手くいかんで泣きつくやろ』

『そんなんだから彼女出来ないの！』

錦戸『別にいらん』

『あたし亮ちゃんに素敵な子できるの待ってるよ』

あんな会話思い出してまた笑う

渋谷｢無理しとる？｣

｢え？まさか｣

渋谷｢ならええけど｣

そうやって目の前のコーヒーを1口飲んだ先輩

｢先輩、女の子が好きってほんとですか？｣

渋谷｢ん?｣

｢遊びの子がいて沢山彼女いるって｣

渋谷｢そうやとしたらなんて言うん？｣

自信あるって顔した先輩
一緒にいて何も嫌がることされなかったし
言われなかった

むしろずっと優しかった

｢彼女にするなら本気にしてください｣

渋谷｢ふふｯ｣

とっくに惹かれてたかもしれないこの人に

渋谷｢俺は本気やって｣

｢はい｣

渋谷｢Aちゃんの気持ちが俺に向くまで気長に待つわ｣

｢え？｣

渋谷｢仮彼女や｣

仮？

渋谷｢そしたらどうにかなる｣

何が？

渋谷｢亮のこともちゃんとする安心し？｣

ふらっとまた窓の外を見てみようとしたら

突然視界が暗くなる

渋谷｢見んのこっちやろ｣

渋谷先輩の掌で視界を塞がれた

無理やり正面に顔を向かされ視界がクリアになったら

渋谷｢ホンマに好きやからそれだけ知っといてな？｣

さり気ない告白をされた

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