いわゆる幼馴染ってやつ《黄》 (ページ11)

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澪｢で、あんたなんでそんな動揺しまくってんの｣

｢あの子と会うの数年ぶりすぎたからビビっただけ｣

昨日の夕方
亮ちゃんはそう一言吐き捨てたまま帰った

奈々ちゃんのとこに戻ったのかどうかはわからない

ただ…1番やばいかもしれない

澪｢てゆーか 10年前は錦戸のこと好きだったんだぁ｣

｢多分ねー｣

澪はちらっと亮ちゃんを見てまた微笑む

いつもみたいに例のよくある転入生事件を次の日全部ぶっちゃけた

澪｢よくその恋心認めたね今のAが｣

｢亮ちゃんを騙そうと思って笑｣

騙されてくれたけど

結局キレられた

澪｢今は？ほんとに違うの？｣

｢違うね｣

澪｢泣きそうなった言ったじゃんお前｣

え？それ話した？
記憶にないな

澪｢A、話し出したら隅から隅まで報告してくれるから｣

無意識に話してたんかい

｢んー多分悔しかったんだよ｣

澪｢志宮って子に錦戸取られて？｣

｢ううん、奈々ちゃんが亮ちゃんを諦めてなくて、今でも好きなのが｣

長年一緒にいるあたしが
あっさり諦めた程なのに

澪｢錦戸は取られてもいいの？｣

｢別にいい……こたないか…笑｣

澪｢なんだよ結局取られたくないじゃん矛盾しまくり｣

｢や、でもいいやガキの世話しなくてよくなるから｣

幼馴染だから、別にそばにいたっていいだろうけど
いちいち亮ちゃんのこと心配するのも懲りた

澪｢毎日一緒にいるくせに｣

｢喧嘩するけど楽なの｣

流石に昨日のは喧嘩なのかわかんないけど

澪｢それ、全てを諦めたって言い様よ｣

ふーん

そうなの？

澪｢なんで頑なに認めないのかわかんないけど｣

ため息つかれるけど
気にしない

澪｢幼馴染って楽だと思ったら終わりだよ｣

｢亮ちゃん以外と付き合いたい願望｣

澪｢ほんとあんたらしいよ｣

澪はいつもみたいな笑顔であたしを撫でてくれた

｢怖いね幼馴染は｣

何も知らないのは亮ちゃんの方だよ

澪｢…怖くないよ別に｣

…そう言いきれる澪はよっぽど大倉のことが好きなんだなって

そうやってお互い信頼してんだね

澪｢あんたと錦戸も同じだよ｣

｢無理一緒にしないで｣

澪はそっかそっかってこれ以上聞いてこなかった