来世で憧れの警察官になったのはいいんだが...【男主】

35話 ページ37

優「こら、新一」


新「…A兄さん」


『ん？どうしたんだ？』


聞きやすいようにしゃがみ、新一くんと同じ目線にする
すると、新一くんは俺に少し近づき顔を顰めながら



新「A兄さんは、何でボーッと見てたの」


と言った


『ボーッと見てた？』


意味がわからず、少し首を傾け再度聞くと、少しイラッとしたように


新「だから…！父さんが銃を撃つまでボーッと見るぐらしいかしなかったんだよ！」


と言い、俺の言葉を待った


『…』


もしかして新一くん、俺が観察してたのをわかってない…？


見た通り、新一くんと蘭ﾁｭｧﾝはまだ中学2年…又は3年ぐらいに見える、まだそこまで探偵として目は優れてないのだろうか
いや、でももうそろそろ高校生だからか…？
今はサッカーに熱中しているのだろうか


俺は少し考える素振りをして


『…新一くん、俺が本当にボーッとしてたと思うのかい？』


真っ直ぐ新一くんの目を見て言った


後ろで見ている優作さんは意味がわかったようだが、蘭ﾁｭｧﾝはさっきの俺のように首を傾げていた


「どういう…」


『俺が本当にさっきの現場をただ見ているだけだと思ったのかい？』



そういえば、はっ…としたような顔をした新一くん、どうやらこんなに簡単なことに気づいてなかったようだ



『簡単なことだよ、新一くん、
世の中には色々な言葉があってね、君が言ったように
ボーッと物事を見ることもあれば、
今そこで何が起こっているのか、
次何をすればいいのか、その事を重視して物事を見る言葉を

"観察"というんだ』



自分が言ったとこに気づいたのか、少し申し訳なさそうに


「…ごめんなさい」


と言う新一くん、俺はその新一くんの頭に手を優しく置き


『いいよ、結果的に蘭ちゃんを救えたんだしな』


と微笑むと、気を許したようにふわっと微笑んでくれた


…前言撤回、めっちゃ可愛い


新一くんの頭に手を置きながら立って
新一くんは、確かシャーロック・ホームズが好きな事を思い出し
少し微笑みながら


『ただ眼で見るだけで、観察と言う事をしない。見るのと観察するのとでは大違いなんだ』


と言えば目をまん丸にしてすごく明るい笑顔になり


新「シャーロック・ホームズ知ってるの！？」


と言った
…可愛いな…

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