PIERROT ２ (ページ28)

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#世界でいちばんページ28

あなたside

涼太とショッピングデートして家に帰る。

帰る途中ずっと手を握ってくれていた涼太。

貴「撮られたらどうするの？危なくない？」

なんていうあたしの言葉は

涼「俺が繋ぎたいから繋いでるの。だからAは気にしなくていいよ」

なんて言ってくるから顔が真っ赤になる。

芸能界でスキャンダルは人生を狂わす火の種。

ちょっとぐらい、が一瞬にしてその人の人生を変えてしまう。

心配だけど涼太の言葉を聞いたら手をふりほどく気にはなれない。

こんなにも思ってくれる人なんて世界に涼太だけかもしれない。

貴「…涼太」

涼「ん？」

貴「なんで涼太はあたしのこと好きになってくれたの？」

あたしの言葉に涼太は少し赤くなりながら

涼「前から気になってたけど、好きになったのは俺の前ではじめてAが泣いたとき、かな」

貴「泣いたとき？」

涼「うん。なんかいつも無理して笑って強がってるの見てて、その裏でこんな脆くて触ったら壊れそうな泣き方するんだって、俺が守ってやらなきゃって思ったんだ」

たしかにあたしは仮面をかぶって無理して笑ってた。

そんなあたしに気づいて無理してるのを気付いて受け入れてくれたのが涼太だった。

貴「…ありがとう、涼太。あたしを選んでくれて」

繋いだ手にぎゅっと力を入れると涼太もぎゅっと握り返してくれる。

涼「俺を選んだこと後悔させねえから」

そう言った涼太にきゅっと心がしまってドキドキした。