切なる願い9 ページ10
『良かったら、取りますので一旦バックドア開けて貰ってもいいですか？』
私は、優しく運転手に尋ねた。
運「お願いします。」
志摩さんがバックドアに盗聴器を仕掛けにいった。
この夫婦さっきまでと様子が一変している。
今は犯人よりも私たちを警戒してる。
運「あの、何か？」
志摩さんが後ろでゴソゴソとしている間、私は黙って突っ立っていた。
『息子さんですか？』
運「そうですが？」
『家族揃って。いいですね。
どこかへお出かけですか。』
運「息子の体調が良くないので、今から病院に、」
『あっ、そんなに急いでいる時にすみません』
やはり明らかに脅されているようには見えない。
運「いえ、こちらこそすみません。
ご迷惑をおかけして。
優しい彼氏さんですね。」
『彼氏に見えます？
彼、素直じゃないので、好きだとしても告白すらしてくれなさそうですけどね。』
丁度タイミングよく志摩さんが戻ってくる。
志「あーっ、、これか。
こんなん挟まってましたよ。」
「うちのものでは。」
運転手さんが、志摩さんの持っている国旗が連なっているものをうちのものではないと否定した。
志「じゃあ、捨てときましょうか？」
運「ありがとうございます。」
志「はい、どうも。」
『お大事に。』
メロンパン号に戻る途中、
志「彼。素直じゃないので『待て。聞いてたのか？』」
その問いを無視され、メロンパン号に乗り込んだ。
伊「どうだった？」
志「服装一致。
凶器らしき物を握っているのが見えた。
恐らく加々見だ」
伊「ほら見ろー！」
志「車内にボイスレコーダーを置いてきた」
伊「ん？」
志「録音した音声をBluetoothでこっちに飛ばして同時に再生する」
伊「盗聴？」
伊「やるね〜違法捜査」
『合法だ。』
志「違法じゃない。
拉致監 禁が現在進行形で起こっているとすれば状況把握に必要な処置となる。
被害者の安全が確保できるまでこのまま尾行、追跡」
伊「了解」
志「Bluetoothはクラス2だから10メートル以内じゃないと接続できない」
伊「は？もっと早く言えよ！」
志「法定速度。」
伊吹さんが、アクセルを踏み込もうとすると、志摩さんが注意した。
伊「はいはい。」
志「Aは収穫あったか？」
『あの夫婦先ほどと様子が一変している。
今は夫夫婦が加々見のことを信用し、打ち解けたようです。
犯人じゃないと信じてる。
私たちに警戒している。』
伊「…どういうこと？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もち(プロフ) - 初コメ失礼します！「切なる願い18」の一番最後のところが「五十嵐」になってますよ・・・多分「陣馬」だと思います！初コメでの指摘、すいません。陣馬さんの娘っていう設定が良いですね！まだ途中までしか読んでないですが作品が面白くていい作品だなって思います！ (12月25日 19時) (
レス) @page19 id: 6d322150f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：九十九 | 作成日時：2020年9月8日 8時
