切なる願い５ ページ6
今日は朝からメロンパン号で見回り。
運転は伊吹さん。助手席は志摩さんで、私は真ん中に座った。
信号待ちをしていると可愛い女子高生がメロンパンが欲しいと窓を叩きながら寄ってきた。
「1ついくらですかー？」
伊「え？？」
「1ついくらですか？」
志「反応するな」
伊「え？？」
「メロンパン」
伊「えっ？」
志摩さんが窓を開けた。
志「ごめんね。
今ねー、売り切れなんだ」
「苺味お願いします！」
伊「苺味いいね〜」
志「おい青青青
早く早く早く。」
『早く。』
伊「分かってるよ」
信号が青になり、発進した。
伊「メロンパンいくらにする？1個1000円かな？」
『ん？』
私は、１０００円という言葉に驚きを覚えた。
志「高いだろ。」
伊「え、だってメロンまるごと入ってんだよ？」
『バカか。』
志「メロンまるごと入らない。
メロンまるごと入るパンってどんだけでかいんだよ。
鞄の中に入んない。」
伊「どーゆこと？？」
志「まるごとって言うのは雰囲気、例えだよ。比喩。」
伊「えー…ガッカリ」
志「お前にガッカリだよ…」
伊吹さんはショックを受けた言い方をすると、呆れたように志摩さんに返された。
その傍ら私は、またため息をついた。
伊吹「おばちゃん、メロンまるごと入ってないんだって。」
志「誰だよ。
誰に話してる。」
伊「えっ、隣の車さっきからずっとこっち見てんだよ。」
伊吹さんが一生懸命隣の車に話しかけ、メロンパンが売り切れだと伝えていた。
そして、志摩さんがそれを止めやせようとする。
『運転に集中しろ。』
伊吹「だっておばちゃんとめっちゃ目合うんだもん、ほら見て」
隣の車を見るととこちらを見て何か言いたそうな女性がいた。
夫婦だけじゃない、もう1人乗ってる。
しかも、夫婦の表情、呼吸の仕方。
脅されてる可能性が高い。
何か、決定的な証拠があれば。
青信号になり、隣の車が発進すると女性の後ろ襟を掴む緑の手が見えた。
志「前動いてる、伊吹。」
メロンパン号も出発させた。
志「310円」
伊「何が？」
『何。』
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もち(プロフ) - 初コメ失礼します！「切なる願い18」の一番最後のところが「五十嵐」になってますよ・・・多分「陣馬」だと思います！初コメでの指摘、すいません。陣馬さんの娘っていう設定が良いですね！まだ途中までしか読んでないですが作品が面白くていい作品だなって思います！ (12月25日 19時) (
レス) @page19 id: 6d322150f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九十九 | 作成日時：2020年9月8日 8時
