切なる願い１６ ページ17
暫く走ると、ホームセンターに行き、加々見は脱いだジャンバーに包丁を隠し、盗んだ。
店「ちょっと。」
そう声を掛けるが、店員の言葉を無視し、加々見は走った。
『警察の陣馬Aです。
盗難があったこと、警察に電話してください。
彼は、私が追いかけます。』
店員に警察手帳を見せながら、急いで伝え、加々見の後を追いかけた。
〜志摩side〜
志「その住所調べてください。
行き先はきっとそこです。
え？そうですか。
ありがとうございます。」
俺は、電話を切った。
志「現場にあった血の掌紋の鑑定結果出た。
加々見の自宅で採取した指紋と一致。
それと、Aは加々見の後を追ってるって。」
〜Aside〜
古い家に着いた。
鍵をこじ開けて入る彼をただただ見ていた。
きっと、今逮捕しても彼はまた同じ事を繰り返すか、自らの罪を認められない。
彼にも、誰にも危害を加えないならば、今は見ておく。
気配も足音も消して、加々見の後から家に入ると、加々見は包丁を持って、一室に入った。
そこに、岸から電話がかかってきたようだ。
加「あいつ殺して、僕も死ぬ。」
加「うち。十数年ぶりの。懐かしの。我が家。
岸も来たこと会ったよね？
なぁ、覚えてる？
二人でゲームしてたら、親父にぶん殴られた。
あいつ必ず反省文書かせたんだ。
ゲーム壊されて、漫画も捨てられた。
パソコン投げたのだって、全部あいつなのに、僕が反省文書かされる。
お父さんを怒らせたのは、僕のせいです、ごめんなさい。
あいつは一度も、一度だって謝らなかった。
松村そっくりだよな？
岸をクビにした、あいつが悪いんじゃないか。」
加「あいつのせいだ。」
加々見は、様々な部屋をうろうろしながら、部屋の一室にあるお父さんの写真を見つけ、包丁を持ってる手で下に落とした。
加「こうなったの全部、あいつの。
それを教えてやるために来た。
あいつがしたことを分からせて、僕がこうなった責任をあいつが取るべきなんだ。」
加「どこだ。どこだー。」
丁度そのとき、私がいることに気がついたようだ。
「だ、だれだ。」
『警察です。』
「け、警察？」
包丁をこちらに向けてきた。
人の優しさ、暖かさを知った彼には刺すことなんて出来るわけがない。
加「刺すぞ！刺してやる！」
『刺せばいい。
私の命なんてどうだっていい。
でも、でもね、君にはこれ以上罪を重ねて欲しくない。
お願いだから、その包丁、こっちによこして？』
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もち(プロフ) - 初コメ失礼します！「切なる願い18」の一番最後のところが「五十嵐」になってますよ・・・多分「陣馬」だと思います！初コメでの指摘、すいません。陣馬さんの娘っていう設定が良いですね！まだ途中までしか読んでないですが作品が面白くていい作品だなって思います！ (12月25日 19時) (
レス) @page19 id: 6d322150f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九十九 | 作成日時：2020年9月8日 8時
