切なる願い１３ ページ14
〜伊吹、志摩side〜
車から降りると、夫婦と加々見の会話が聞えてきた。
妻「綺麗に見えてる。」
夫「前に来たな、３人で。」
妻「あの時うどん食べたっけね。」
夫「そうだ、飯食おう、３人で。
腹減っただろ。」
加「あ」
夫「財布のことなら俺が出すから、食べよ。」
加「いやいや。」
夫「食おう。
その前にまずトイレだ。
さっきから我慢してて。
ちびりそうだ。」
妻「やだ。もう。」
加々見は周りのことを警戒していた。
夫「心配するな。
君に最後まで付き合うよ。
その君が行こうとしている場所に。」
妻は、加々見の腕を組んだ。
妻「約束。」
夫「約束だ。」
加々見と夫は、目を見つめ合い、夫が一度頷いた。
そして、トイレに向かい歩き出した。
妻「早く行きなさいよ。」
夫「いやー、我慢我慢。」
伊吹も志摩も少し離れた場所で会話を聞いていた。
男子トイレ
夫「いやー、終んなかった。」
夫は、楽しそうに加々見に言った。
夫「俺たちのこと変な夫婦だおと思っているんだろ？」
加「僕はあなたたちの息子じゃないですよ。」
夫「うん。」
そう言い、何度か頷いた。
夫「俺たちはあの子を信じてやれなかった。
学校でクラスの子の財布からお金が盗まれた。
うちの秀則が犯人だって疑われて、秀則はその頃反抗期だったから、なんてバカなことしたんだって、俺は話も聞かずに怒鳴りつけて頭をさげさせた。
でも、本当にあの子はやってなかった。
無実だった。
死んでから分かった。
犯人は別の子だった。
だからって何で死んでしまったのか疑われたことに耐えられなかったのか、俺への当てつけか、悔しかったのか、絶望したのか、
あの子が何を思って死んだのか、未だによく分からない。
もしも戻って、あのときに戻れるなら、俺はお前を信じる、誰がなんと言おうと信じる、あの子に言ってやりたかった。」
夫は、水道の水で顔を洗った。
伊吹と志摩も途中からトイレの外で話を聞いていた。
夫の背中を撫でようとした加々見を、伊吹が止めた。
伊「はい、ストップ。
加々見、ちゃんと話聞く。
おとなしく出頭しろ。なあ？」
加々見は、ポケットから凶器を出し、伊吹に凶器を向けた。
志「すみません。入らないでください。」
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もち(プロフ) - 初コメ失礼します！「切なる願い18」の一番最後のところが「五十嵐」になってますよ・・・多分「陣馬」だと思います！初コメでの指摘、すいません。陣馬さんの娘っていう設定が良いですね！まだ途中までしか読んでないですが作品が面白くていい作品だなって思います！ (12月25日 19時) (
レス) @page19 id: 6d322150f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九十九 | 作成日時：2020年9月8日 8時
