忠犬ハチ公 ページ24
伊「よっ、忠犬ハチ公。
って何してんの!?」
『あ、伊吹さん。
マイちゃんは?』
伊「マイちゃん話疲れて寝ちゃった。
それよりもっ、志摩、Aちゃんから離れる」
そう言って、無理矢理私と志摩さんの間に入ってきた。
志「はぁ、俺がいつ飼い犬になった。
お前こそ手綱をぶっちぎって走る野犬だ。」
伊「ベトナムで相手を犬に例えるとめっちゃ馬鹿にしたことになる」
志「じゃあ言うな」
伊「で、もーっとひどいのがカタツムリなんだって。」
『カタツムリですか。』
伊「ビビってピュッとからに隠れる。
カタツムリみたいに弱い。」
志「カタツムリね」
伊吹さんはそう言うと、私の隣にしゃがみ込む。
伊「はぁ。
なんかもう。なんつって言いか分かんなかったわ。
国の罪は俺たちの罪でもあんのかな。」
志「熱でもあんのか。」
伊「俺がごめんねって言っても何十万のロボットにされた人たちは救われないんだよぉ?
みんなどうして平気なんだろう。」
志「見えてないんじゃない?
見ない方が楽だ。
見えてしまったら世界が僅かにズレる。
そのズレに気付いて逃げるか、また目を瞑るか。」
伊「それ志摩の話?
何かに気付いて、自分を信じられなくなった。」
『見なければ見過ごせるものの、見れば見過ごせなくなってしまいます。
それが人なんですよ。』
伊「わん。」
志「近っ!やめろっ。近づくなっ!」
いつのまにか志摩さんの近くにいた伊吹さん。
伊「いや、俺はバディとして相棒の不審な匂い?」
志「嗅ぐな!勝手に嗅ぎとるな!」
伊「ええ?」
志「俺の話はいいんだよ!
今、マイちゃんと水森の話してんだよ!」
空気が一変し、志摩さんが過去から現在へと意識が戻った。
伊吹さんなら志摩さんを助けられる。
私は、感謝と期待から自然と笑顔がこぼれた。
伊「Aちゃんが笑うところやっと見れたー!」
志「あぁ。」
もしかしたら、私も2人に救って貰えるのかもしれない、そう思ってしまった。
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イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね!更新頑張ってください!応援しています。 (2020年9月12日 21時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九十九 | 作成日時:2020年9月5日 0時