翻訳 ページ21
九「例のGO TOタグの最初の投稿。投稿自体は削除されてたんですけど、キャッシュを見つけたって。
アカウントはまだ生きてて、名前は”Funkuan"。
出身地はホーチミンになっています。」
『このベトナム語は訳せましたか。』
九「自動翻訳だとうまく訳せなかったみたい。」
やっぱりか。
日本人が書いていて、余計な単語が入っている、と昨日判明した。
志「署内に誰かベトナム語分かる人」
陣「いねぇだろ。」
伊「いるよ。
署内じゃないけど…聞けるよ。」
電話をかけ、書面をFAXで送るとまた電話がかかってきた。
伊「理不尽は理不尽で返せ
俺たちには金を奪う権利がある。」
私達は食器の片付けをしながら先輩の電話を聞く。
伊「日本人…?
え、日本人が書いたってこと?」
『やっぱり。』
伊吹さんの言葉に私は何かを思い詰めるような顔になり、一度洗い物の手を止めたが、すぐにまた手を動かした。
ーーーー
糸巻さんが防犯カメラの映像を持ってきてくれた。
志「A、分かるか?」
『日本人です。
若い男の人です。
でも、本場の発音に近いとも言えます。』
志「まさか。」
電話を終えて帰ってきた伊吹さんがのぞき込んできたが、志摩さんらと資料を持って桔梗さんの元へ行った。
志「水森祥二朗、27歳。
自分で起こした人材サービスの会社が倒産して、負債を抱えていたようです。
その後、川越の管理団体の職員になっています。
簡単なベトナム語なら話せるそうです。」
伊「日本語学校の事務員になったのはその管理団体が業務停止命令で潰れたから。」
桔「管理団体って...技能実習生を受け入れて管理するとこだよね?」
『はい。
水森がいた管理団体は、現地の送り出し企画から違法なキックバックをもらっていました。
1人につき30万。1000人入れれば3億
金のなる木です。』
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イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね!更新頑張ってください!応援しています。 (2020年9月12日 21時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九十九 | 作成日時:2020年9月5日 0時