元SPは機動捜査隊【MIU404】

加々見3 ページ48

『加々見さんごめんね。

貴方ともっと早く出会っていれば、貴方は罪をおかさなかった。』

志摩さんは、伊吹さんに手錠を引き渡した。

そして、伊吹さんが泣いている加々見に手錠をかけた。

そこに到着した警察に加々見を引き渡すと、田辺さんご夫妻が到着した。

妻「加々見くんっ！！」

夫「ごめんね、最後まで付き合うって約束したのにごめんね

いつかまた三人でドライブしよう。

今度こそうどん食おう。」

妻「いつか、またね。」

加々見さんはご夫妻に深く頭を下げ、パトカーに乗った。

田辺さん夫婦も車に乗り込もうとする。

『あの。』

夫「はい？」

『ありがとうございました！』

妻「え？」

『田辺さんご夫妻に出会えて、加々見さん救われたと思います。』

夫「そんな。私たちは何も。

むしろ警察に迷惑をかけてしまって。」

これ以上関係のない人を巻き込みたくないと目で訴えていた。

殺意も感じられなかった。

このご夫妻に出会って、人の暖かさも、優しさも知ったからだろう。

『調書の際には何も隠さずお話してほしいんです。

あなた方にも罪を重ねて欲しくない。

どうかお願いします。』

すると2人は深く頷いて車に乗り、パトカーについていった。

『さて、お腹空きましたね！

何か食べに行きましょう。』

私は、話を2人に振るが、無視を決め込まれてしまった。

んー、どうしよう。

とりあえず、伊吹さんが持っている鍵を奪い、運転席に座ろうとした。

志「馬鹿か、お前は。

何故一人で追いかけた。」

志摩さんが明らかに怒っている低音の声で言った。しかし、その表情はは怒っているというよりかは何処か悲しんでいるようだった。

『伊吹さん。』

志摩さんの悲しそうな表情をこれ以上見たくなく、伊吹さんに助けを求めた。

伊「五十嵐ちゃんさぁ。流石にやりすぎだよー？」

伊吹さんも心配してくれていたのか、少し涙目になっていた。

『ごめんない。』

志「謝って済む問題か！

携帯まで置いてって、何かあったらどーすんだよ！」

志摩さんの手には、私の携帯が握られていた。

あっ、さっき志摩さんに貸して仕舞うの忘れてた。

伊「五十嵐ちゃんがこんなにもお馬鹿さんだとは思ってなかったよ。』

『もう二度と二人を悲しませるようなことはしませんから。』

伊「約束だよ？」

『はい！』

伊吹さんが私のことを抱き締めた。

志「離れろ。これ汚すなよ。」

そう言って、私の手首に志摩さんがいつも付けているブレスレットをつけた。

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