元SPは機動捜査隊【MIU404】

張り込み ページ24

お互いに張り込みを開始した。

車内で待機中は外の音に集中して静かにしていたのだが、沈黙に耐えられない人がここに一人。

伊「見つけたいなぁ…いたら絶対音で分かんのになぁ」

『ですね、絶対分かります。』

志「伊吹さんさ」

伊「ん？」

志「もし容疑車両を見つけても昼間みたいな無茶はやめろよ」

伊「合点承知之助〜」

志「ふるっ。

麻布中央署にいたとき犯人タコ殴りにしたって本当か」

伊「ありましたね〜そんな事も」

志「やめろよ。

あんたが不祥事を起こせば俺や五十嵐、陣馬さんや隊長にも迷惑がかかる」

伊「俺だってもう懲りましたよ。

始末書何十枚書かされて飛ばされるは怒られるわ。」

志「いっその事、懲戒免職になれば良かったのに」

伊「しかもあんときは拳銃まで出しちゃったんすよね〜 」

志「はぁぁ！？」

志摩さんは呆れ声を出した。

伊「っち。犯人が糞みたいな真似すっから

もう撃ってやろうかと思って」

志「思うなよ、軽々しく！」

伊「え、銭形警部とかあぶない刑事とか憧れなかった？

ほら、バンバン撃つのとかさ。えー。」

志「五十嵐やっぱりこいつ馬鹿だ。

それか、ヤンキーかどっちかだ。」

『うーん･･･』

本人を目の前に何を言えば良いのか、今の私には皆目見当もつかなかった。

伊「え、二人とも酷っ！」

志「現実の刑事は9割が引退まで拳銃を抜かない。

撃たないじゃない、抜かないんだ。

それが日本の警察」

伊「ふーん

もっとラフでいいのにね。」

志「いいのにねっ、じゃねぇーよ」

いいのにね、を可愛らしく言った志摩さん。

伊「ほら青だよ行こっ

ちょっとあっち回って。

もう全然来ないよ、車とかさ。」

『あっ、ちょっとだけそこの自販機よって貰ってもいいですか。』

志「ああ。」

『すみません。』

そう言って、志摩さんが自販機の近くに車を止める。

『飲み物、買ってきますけど、何がいいですか。』

伊「珈琲かな。」

志「俺も、珈琲でいい。」

『分かりました。』

そう言って、私は三人分の飲み物を取りに外に出た。

志「あいつに手を出すなよ。」

伊「なんで。」

志「あいつは、隊長のお気に入りなんだ。」

伊「だから？

だって、五十嵐さんめっちゃ良い子じゃん。

隊長のためっていうなら、俺はアプローチし続けるよ。

もしかして、志摩さんも好きなんじゃないの？」

志「ば、ばか。

そんなわけあるか。」

伊「なら遠慮なく貰うね。」

『ただいまです。』

丁度私が戻ってきた。

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