元SPは機動捜査隊【MIU404】

事件の整理 ページ14

各自目撃者の調書をし、事件について皆で整理し直す。

陣「被害者は命に別状はないが、朝まで話を聞けそうにない。

持ち物は小銭入れのみ。

カードの類いはなし。

身元の分かるものはなかったそうだ。」

九「被害者の人定が出来ませんね。」

志「この路地に防犯カメラはありませんでした。

調書の結果、被害者は13時頃入店。

注文を待つ間被害者に電話がありました」

伊「目撃者は電話の内容を聞いてました。

しょうもない痴話喧嘩」

『食事を終えた被害者は会計を終えて普通に店を出ました。』

九「目撃者はスマホを見ながら歩く被害者とぶつかりそうになり、危ないな…と思って振り返った。

殴打をスマホで受けたため、壊れたようです。

犯人の顔は見ていません。」

志「目撃者が通りに入ると既に犯行の後でした。

血溜まりに右膝をつき、被害者のポケットの中を漁っていた。

何かを握ると向こう側へ逃げた。

犯人は大柄の男で紺色のジャケットに、グレーのパンツ。

背中だけで顔は見ていない。」

陣「犯人の前足は？」

『見てないそうです。』

九「前足？」

『どこから来たのかって事です！』

陣「凶器の看板がどこの物かわかれば辿れるかもなぁ。」

私は、頭で事件の整理をしながら話を聞いていた。

鑑「鑑識作業入ります。」

志「4機捜の志摩です。」

鑑「鑑識の山岡です。」

志「宜しくお願いします。」

陣「お願いします。」

『宜しくお願いします！』

九重「盗んだのは財布？金目当ての犯行でしょうか。」

陣馬「決めつけるなよ。

初動捜査は大きく見る！

大きく見て徐々に絞り込む！」

『そうですね。』

九「被害者は電話で喧嘩をしていた。

何かトラブルを抱えていてその線でやられた可能性もありますね？』

伊吹「いやいや、その電話は女とのしょうもない痴話喧嘩。事件に関係なし」

伊吹さんがそう言うなら、そうなのかもしれないが、まだ決まったわけではないはず。

そんなにズバッと切っていいのかな･･･

『関係ないと決めてしまっていいんですか？』

伊「うん。

あれは関係ない。」

『伊吹さん、それって勘ですよね？』

伊「うん。

でも、事件には関係ないよ。」

陣「ちょっと待て。

目撃者は？」

伊「えっ？」

陣「正確にはなんて言ってたんだ。」

伊「えっと、あっ、好きとか〜、嫌いとか〜、なんかそういうあれだったって。」

伊吹さんは陣馬さんの質問にあやふやに答えた。

私がいないときに聞いた話だったのだろう。

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