最近のつぶやき「幸村が俺の心にクリーンヒットなう。」by男装イケメソ女子 ３ツイート目 【テニプリ】

第百十一話 ページ29

幸村side

クラスメイトのくぐもったような泣き声が聞こえたとき、俺は飛び出していた。

俺の登場に二人の目が見開く。

「幸村君……！」


先輩がしまった、というような顔をしていた。

「幸村君、違うの、あのね……」

先輩が俺に手を伸ばして肩を掴む。
しかし俺は勢いよくその手を振り払った。

幸「触らないでください。」

思わず口から出た言葉に俺自身も驚いた。
しかし重ねるように言葉が出てくる。

「幸村君！」

幸「汚いって言ってるの、わかりませんか？」

先輩の表情が歪んでいく。
先輩の頰を涙が伝っていった。

「もうこんなことしないから……許して……。」

幸「そうですか。じゃあ二度と俺の前に現れないで下さい。」

あ、ああ、と言葉を漏らして先輩は校舎に向かって走っていった。

その場に俺とクラスメイトだけが残った。

幸「じゃあ俺部活あるから。」

そう言って歩き出す。少し歩いたところで待って、と後ろから腕を掴まれた。

振り返るとクラスメイトが少し頬を染めて立っていた。

「助けてくれて、ありがとう。」

顔が少し擦り切れていたりしているが彼女は笑顔だった。
クラスメイトの表情が夕日に照らされまるでドラマのワンシーンみたいだ。

俺は言った。

幸「君もだよ。」

「え？」

幸「汚いから触らないでくれって、わからない？」


しかしどれだけ幻想的だろうとロマンチックだろうと俺は女という性が嫌いになっていた。

そんなやつを好きだった、自分も。

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