▼ 手 ページ9
洞窟に戻るとあいつが走って来た。
「おい、走るな。傷が広がる」
「そんなこと今はどうでもいいの!ソンジュ、あなたにひとつ言いたいことがあります。」
「……なんだ。」
珍しく神妙な雰囲気で、原因のわからない焦りすら覚えた。
「私の名前は？」
「は……？」
「だから、私の名前は？」
どうしたんだ……まさか自分の名前忘れちまったのか。
「お前、どうした？」
「なんで名前呼んでくれないの!?」
「は、名前？」
「ソンジュ、ずっと私のことお前って読んでるでしょ。私にはアイーダって名前がちゃんとあるの!」
「なるほど……それは悪かったな、無意識だった。アイーダ」
まさかそんな理由だったとはなぁ
こればっかりは本当に無意識だった。
「あのね、ソンジュ……鬼に人間の事情を話しても仕方ないと思うけど、私たちは名前を大切にして生きてる。だから」
空いてる方の手をアイーダに取られ、両手で掴まれた。
人間の手ってのは、暖かいんだな……
「出来れば、名前で…アイーダって読んで欲しい。」
「……ああ。分かった、その件については悪かったな、これからは意識するよ」
不思議な気分だな……もとより、人間と馴れ合うつもりはなかったんだがなぁ…
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yuu(プロフ) - 素敵すぎてハゲるかと思いました。続編でも他の話でもいいのでソンジュの夢もっと読みたいです！！ (10月31日 21時) (
レス) @page28 id: d6c5651685 (このIDを非表示/違反報告)
風人雷震 - 涙線崩壊しました(´；Д；`) (2020年12月20日 23時) (レス) id: 356d2e7602 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まって！！？ソンジュ好きいいいいっっっ！神作品です。ありがとうございます…(昇天 (2020年7月29日 18時) (レス) id: 5186068ab8 (このIDを非表示/違反報告)
天空(プロフ) - ペンドラーさん» コメントありがとうございます!よ、よもや5回も読んでくださっているとは…!!私としても嬉しい限りです!!満足していただけて何よりです…! (2019年11月17日 13時) (レス) id: e03bf13403 (このIDを非表示/違反報告)
ペンドラー(プロフ) - ヤバいです。ガチ泣きしました。もう5回くらい読み返してます。ぐうぅ...ソンジュが好きすぎて探してよかったです。これ一つで満足_(:3ゝ∠)_ (2019年11月17日 13時) (レス) id: 4520c74fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空 | 作成日時：2019年2月12日 0時
