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私はまた、北くんが涙するシーンに遭遇してしまった。
「……北くん」
「小ヶ谷……また見られてもうたな」
「なんか、ごめん」
もしかして、知らなかっただけで毎日泣いてるんじゃ?
昨日北くんは時々って言っていたけれど本当は……
「大丈夫?」
「ん、平気や。もう慣れたもんやから。」
「そうなんだ……」
「小ヶ谷も部活入っとったらきっと分かるで」
これで最後、もう後はない。
そういうことが私にもわかったかもしれないのかな。
「もっと、はやく……気づいていたら良かったな。」
私もその気持ち、気になるもん。
あの北くんに涙を流させることが出来る、その気持ちが知りたかった。
「せっかくバドミントン好きなんやからもっと楽しめば良かったのにな。もったいないことしとるんちゃうか」
「うん、今更後悔って感じ。」
いつ間にか北くんの涙は止まっていて。
「……明日の部活、見に来るとええ。」
「え?」
「お前が損した分、少しやけど取り返せるかもしれん。」
「いいの?邪魔じゃない?」
「別に構わん。ああ、何なら女バド見た方がええか?」
「……ううん、男子バレー部にお邪魔させてもらおうかな!」
「そよか。」
私にも分かるかな?その気持ち。
見ているだけでも分かるかな?
私が損した、青春という名の時間と気持ち。それが少しでも私にやってくるだろうか。
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作者名:天空 | 作成日時:2018年7月12日 20時