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「えっ」
北くんが、
泣いてる？
「えっ、えっ？」
そんな嘘だ。あの北くんが泣くはずない。
だって、北くんだよ？
感情なんてないだろう。
「……北くん？」
「…なんや」
彼は、紛れもなく北くんだった。
「ど、どうしたの？」
「別に何でもあらへんよ。気にせんでええ。」
「なんでもなかったら、こんなところで泣かないよ……」
あ……いや、もしかしたら情緒不安定……
「……そうやな…なんもなかったら、普通は泣かんよな」
「あ、うん」
北くんが泣いている。
そう思ったら、笑ってる。
「北くんも、泣いたり笑ったりするんだ……」
「そりゃあ、俺やて人間やからな」
そうだ。簡単なことなんだ。
彼だって人。感情があるに決まってる。
なんだ、私好きなのに北くんのこと、なんにも知らないじゃないか。
「あ、ねぇ。どうして泣いていたの？」
悲しいことがあった？それともどこか痛い？ひょっとして、何か面白いことがあって笑い泣き？
「時々、こうきて泣きたくなるんや。」
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作者名：天空 | 作成日時：2018年7月12日 20時
