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・
「タミくん‥
お昼ご飯とどいた？」
「見りゃわかんだろ」
わっ。ふつうに会話できた
すっごいうれしいんだけど
嬉しさを胸にベッドの横に座って
お弁当をお膝に置いた
「はやくどっか散れ」
「タミくんも食べようよ
一緒に食べたいなぁ」
そう言うと
顔を真っ赤にしてなぜか怒るタミくん
アホだのバカだの‥‥
かわいいなぁ
いつのまにかタミくんに対する
警戒心もなくなっていて
タミくんもなんだかんだ言って
ご飯を口に運んでいて
「朝ごはん食べた？」
「‥食っちゃいけねぇのかよ」
「えっ食べたの？」
「わ、わりぃかっ」
これまでにない
幸せなお昼になっていた
・
「ねぇタミくん」
帰り際
テレビに夢中になるタミくんに声をかけた
「ん？」
「また手術受けたらもう手術はおわりなんだけど
治るまで二ヶ月は入院しなきゃいけないんだ」
「げ。長すぎだろ」
首にできたもう一生治ることはない青い痣
この子はこの短い時の中で
どれだけの苦しみを胸の中に閉じこめてきたのか
わたしは知ることはできない
「治ったらわたしとあそぼう」
「は？」
「わたしね遊園地行きたいなって思ってるんだけどね
あ、カラオケもいいな」
でもこれから
一緒に背負うことくらいはわたしにだってできる
「‥‥いいけど。
全然行きたくないけど」
「うん。約束ね。」
ためらうように
絡めた小さな小さな小指は
とってもあったかくて
泣きそうになってしまった
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作者名：はな | 作成日時：2018年2月14日 7時
