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・
「あーおいしい。
ねぇひとくちいる？」
そうニコニコしながら
プリンをいれたスプーンを渡された
この歳になって
間接的にどーのこーの気にする私がバカなのか
いやいや‥‥
とりあえずクールにかわそう‥‥
「だいじょうぶです
じゃあわたしもご飯たべるので‥」
「え？ここで食べないの？」
そう言って膝を軽く叩くジミンさん
「た、たべるわけないじゃないですかっ
も、もう行きますからっ」
「あはは。ほんとかわいい」
・
足早に廊下を歩きながらわたしは思う
ジミンさんって絶対女慣れしてる
なんか女の子を知り尽くしてるっていうか
その、NGラインをちゃんと分かってらっしゃるというか
とにかくいちいちキュンってしちゃうような
動作をかましてくるというか‥‥
あーやだやだ
なんかジミンさんワールドに飲まれてるような
「‥‥タミのとこ行くのか？」
後ろから聞こえる
思わずドキってするような
そんな色っぽい声
「は、はいっ」
か、か、かっこいい‥‥
振り向いた先に待っていたのは
真っ白でツヤツヤのお肌に
長い手足に小さいお顔
なんだか身にまとってるオーラが違うような
そんな王子様みたいな人だった
「‥‥昨日あいつんとこに来たやついるか？」
「へっ、あ‥」
やばい
一瞬、いやだいぶ見惚れてた
「タミくんにお見舞いにきた子は‥‥」
「‥‥２日に１回は来るばーちゃんとか‥」
「‥‥？それタミくんが‥？」
一瞬びっくりして
また一瞬だけ悲しい顔をして
よろしくな‥とだけ言ってわたしの横を
過ぎ去る王子様
後に聞くとここの医院長の息子さんで
いずれ跡継ぎになるという御曹司様だった
‥‥なんでタミくんのこと知ってるんだろう
いつのまにか小さくなっていく背中は
なぜか寂しそうに見えて
とっても胸が痛くなった
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作者名：はな | 作成日時：2018年2月14日 7時
