じれんまドクター (ページ3)

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「‥‥なに見てんだよ」

ガツガツご飯を食べるガキをよそに
ベッドの隣にある椅子に腰かけた

「ちゃんと食ってんじゃん」

「うっせぇな。む、無理してんだよ」

ニヤッと笑うと
なんだよ、と顔を真っ赤にした

このガキは俺の担当の患者じゃない

ただ暇さえあれば
なんとなく顔を出している

「おまえ眼帯とれかかってんぞ」

「おい。これとれよ。邪魔くせぇ」

「バーカ。いてぇくせに」

「いたかねぇよ」

フンっと口を尖らせて
またスプーンを手に持ち動かす腕は
やっぱり青くて細かった

「‥‥ばーちゃん明日来るんだっけ」

「プリンもってくんだよ
あ、とんじゃねぇぞ」

２日に一回にくるというばーちゃんの顔は知らないけどなんとなく親近感を持ってしまう

俺にはわかるから

お前の寂しいうそも。ぜんぶ。

「‥‥いいのか
俺に頼めばおまえのかーちゃん探してやるよ」

少しだけ俺の目を見つめて

いいって
なぜか少しだけ微笑んで言った

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少しの間だけそのまま居座って
午後から会議があるのを思い出して席を立った

じゃあな、って言うと
一瞬だけ悲しい顔をして

また、もう来んなよってまたニコって笑う

強いなっておもう
ほんとうに

「目ぜってえ触んなよ」

「いばんじゃねぇ。ばーーか」

べぇーっと舌を出すこいつを見て
なぜか俺は泣きそうになった

でもやっぱり涙はでない