第54話 ちゃんと ページ7
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ｰAsideｰ
円堂くんが『俺、お前と会ったことある！！』と言ったときは驚いた
あの時のあたしは、髪が長くて前髪で目も隠れていたから、覚えている筈ないって思ってたのに
円堂「そんなことない！
お前が言って来なきゃ、夏未は冬海先生に確認しなかったかもしれないんだぞ？
立花のおかげさ！ 俺たちを守ってくれたんだよ！
ずっと礼を言いたかったんだ！
ほんとにありがとな！」
白い歯を見せてニカッと笑う円堂くん
周りのみんなも優しく微笑んでいる
あたし、
そう思うとじんわりと胸があたたかくなって、自然と口元が緩みそうになった
A「っ……」
でも、笑っちゃいけない
あの時のあたしは必死すぎて、その後の事なんて考えられてなかったんだ
感謝される筋合いなんてない……
唇を噛みしめ、ギュッと裾を握りしめて口を開く
A「守れたかもしれないですけど……
冬海さんがいなくなったせいで雷門サッカー部はフットボールフロンティアの出場ができなくなったかもしれなかったんですよ？」
監督がいないとFFには参加できない事を、ちゃんと把握しておくべきだったのに
円堂「そんなの！ 響木監督がやってくれたから全然大丈夫だよ！」
風丸「そうだぞ立花」
みんなは「うんうん」と頷いてくれたけど、
あたしの気は収まらなかった
A「ぅ、ですけど！ 守るならそこまで把握しておくべきだったんです！
本当にごめんなさい」
鬼道くんだって、雷門と戦うことを楽しみにしてた筈なのに……！
もしかしたら試合できなかったかもしれない
なんでもっとうまく守れないんだろう
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作者名：紺 | 作成日時：2018年4月22日 1時
