第75話 話したいこと ページ29
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ｰAsideｰ
A「日陰涼しいねー」
佐久間「そうだな」
橋の下に移動したあたしたち。
うまく休憩を促せてよかったー！
A「それで、話したいことって何？」
佐久間の方に顔を向け、返事を待つ。佐久間は「ああ」とぎこちなくあたしと目を合わせたが、すぐにそらされてしまった。
佐久間「実はな」
A「うん」
佐久間「俺、」
A「うん」
佐久間「FWからMFにポジションを変更しようと考えてるんだ」
A「うん……え！？ ななんで！？」
突然のことにあたしは動揺する。
一向にあたしと目を合わせない佐久間の横顔を凝視した。
佐久間「今のイナズマジャパンには、俺なんかよりももっと強いFWがたくさんいるだろ？」
A「佐久間だって……！」
佐久間「いいんだ。選考試合でもMFだったんだしな。でも、吹雪を見て思った」
A「……あ、そっか。吹雪くん、DFとFWどっちもできるから」
佐久間「そうだ。吹雪はDFだが、俺はMFもFWもできる選手になりたい」
ずっとサッカーグラウンドの方を向けていた目線が、いつの間にかあたしの方を向いていた。
揺らぐことのない佐久間の
佐久間「手伝って、くれないか」
A「……うん。もちろんっ！」
あたしが笑顔でそう言うと佐久間は一気に息を吐き、「よかった……」と呟いた。
あたしが手伝いを断ると思ってたのかな……
佐久間「返事に変な間をつくるなよぉ……。不安になったぞ」
A「あはは。あまりに真剣に言うもんだから、つい。ごめんね」
佐久間「おい……。でも、ありがとう！ よし、早速練習再開だ！」
佐久間は笑って、立ち上がった。あたしも「おー！」と言いながら立ち上がって橋の下から出る。日差しが眩しい。
サッカーグラウンドに向かおうとして駆け出そうとしたら、「A！」と呼ぶ佐久間の声がしてあたしは振り返った。
どうしたんだろう。まだ何か話があったとか？
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作者名：紺 | 作成日時：2018年4月22日 1時
