第69話 名前で呼んで ページ22
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ｰAsideｰ
視線が一気にあたしに集まる。
どうしよう……。声をかけたはいいけどなんて言えばいいんだ！？
A「えっ、と、その……」
うああああ。勢いに任せたせいだぁぁぁ。
だらだらと滝のように汗が出てくる。
A「……のこと…………んで……？」
「「？？？」」
絞り出した言葉。でも声が小さすぎて聞き取れなかった様子のみんな。
声だせ。声だせ。
試合になったら男の人の前でも声、でるんだから！！
そうやって自分を鼓舞して、顔を上げた。
A「あたしのこと……っ！
名前で呼んでもらってもいいですかっ！？」
言っちゃったーーーー！！
よかった！！ 言えた！！ やった！！
そんな喜びも、すぐに不安に変わってしまった。
……言えたのはよかったけど、
ああああもう何やってんだあたしぃぃぃぃ。
「そんなことか！」
明るい声に､「え」と声を出して顔を上げた。
円堂「そんなのもちろんいいぜ！」
反応が帝国イレブンの時と似ていて、驚いたのもあるが、
強ばっていた顔が、ほころんでいくのが自分でもわかった。
きっと……ううん、絶対あたし、今
A「あっ、ありがとうございます！！」
「「ああっA(さん)！！」」
すごい、笑顔だ――――
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作者名：紺 | 作成日時：2018年4月22日 1時
