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第50話 目が覚めた ページ3

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――――『お願いしますっ!!』



紺色の、長い髪の毛がだらんと下がっている。

顔を上げて俺を見るオレンジ色の瞳は、長い前髪からビシビシと気持ちが伝わってきた。



この時 名前を聞いていれば

もっと早く思い出せたのにな



ずっと、礼を言いたかった



.



じんわりと冷たい感覚がする。少し顔を動かすとズキンと痛み、思わず「いっ!」と声を出してしまった。

その声に反応したのか、「円堂くん?」と聞き覚えのある声。俺はゆっくりと目を開けると、視界は真っ暗で。ええ?? と戸惑ったが、顔にのせてある冷たいタオルの事に気づき、タオルを取る。


眩しい太陽に光に目を細めるが、「円堂くん!」と安堵する秋の顔が見えた。



秋「よかったぁ。目が覚めて」

円堂「ああ、秋……いでっ」



ベンチから体を起き上がらせると、顔が少し揺れたせいでまた痛む。



秋「だめだよ円堂くん。まだ顔、冷やしておかないと……」

円堂「はは、悪い悪い」



秋から氷嚢(ひょうのう)を受け取り、自分の顔に押し付ける。ひんやりとして気持ちいい。グラウンドを見ると軽やかにボールを操っている立花が見えた。

立花の必殺技の皇帝ペンギンZ、受け止めてみたいなぁー。ノーマルシュートであの威力なんだ。もっとすごいに違いないよな絶対。



A「はあぁあ!」



風を切るようにシュートをした立花。ボールは大きく曲がり立向居の伸ばした手は追いつかずにそのままゴールネットを大きく揺らした。「ナイスシュート!」と吹雪たちが喜んでいる。



立向居「立花さんのシュート、本当にすごいです!!」

A「あ、ありがとうございます。立向居くん」


風丸「ボールを上手く曲がらせるコツ、教えてくれないか!?」

A「あ、あたしなんかでよければ、全然構いません」



立花は会釈しながら立向居たちと会話をしている。相変わらず表情を変えなかったけど、声は明るかった。顔と声が一致してないんだよなぁ立花。笑えばいいのになぁ。なんで笑わないんだ?

そんな立花を豪炎寺も見つめていた。



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作者名: | 作成日時:2018年4月22日 1時

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