第66話 笑ってほしい ページ19
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A「あ、源田から貰った差し入れ、冷蔵庫に入れといた！」
Aは嬉しそうに木野に言うと、木野は「わざわざありがとう。Aさん、源田くん」と礼を言う。
源田「対した物じゃないけど、喜んでくれると嬉しいな」
円堂「ありがとな源田！ 差し入れってなんだ？」
源田「
円堂は「蜂蜜レモンかー！ アレうまいよな！」と喜んでいるが、一部の人は乙女か……！と心の中でツッコむ。帝国サッカー部ではそれが当たり前になっているのか、辺見に「また作ったのかよー」と言われていた。
A「源田の作る蜂蜜レモン、すごい美味しいんですよー！」
思わず笑顔になりそうになるところをグッ、とこらえ、明るい口調でみんなに言うA。そんなAに「おー！ 楽しみだな！」と円堂は明るく返すが、本当は笑えばいいのにな……と円堂を含め他のみんなも思っていた。
豪炎寺「……A」
A「なんですか？ 豪炎寺くん」
Aの正面に立った豪炎寺は、今まで思っていたことを発した。
豪炎寺「笑っても、いいんだ」
A「は……え……？」
はい、と返事をしようと思ったが、豪炎寺の言葉に驚き目を見開くA。
帝国の4人組は、その様子を見守っていた。Aが俺たち以外の男たちと仲良くなる1歩目を踏めるかもしれない、と。
A「……わ、」
「「！」」
俯き唇を震わせながらAは口を開いた。みんなは耳をすませ、Aの言葉を待つ。
A「笑っても、いいんですか……？」
ギュウと握りしめられた拳は震えている。でも、目はしっかりと正面に居る豪炎寺に向けられていた。
豪炎寺「あたりまえだ。みんなも、そう思っている」
笑うことに対して何故そんなに臆病になってしまったんだろう。引っ越してから、何かあったのだろうか。考えれば考えるほど疑問が浮かんだが、笑ってほしい。意図的に笑顔を閉じ込めないでほしい、と豪炎寺はそう思った。
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作者名：紺 | 作成日時：2018年4月22日 1時
