男嫌いがFFIに出るそうです【３】 (ページ42)

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No.137　優しさに包まれたページ42

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児童相談所の人たちは「貴重な話を聞かしてくれてありがとう」と言って家を出ていった

忍も「よく頑張ってきたな」と言ってくれた

…とりあえず…よかったーっ……

世界から帰ってきたら、お日さま園ってところに帰るんだ

全部、みんなのおかげだ

感謝しかないや

…少し、鉄の味がする

口から血が出ていた

口の中、濯がなきゃ

あたしは立ち上がって、洗面所に行く

鏡を見ると、ガーゼで左頬を覆っていても分かるほど顔はひどく腫れていた

自分で見ても痛々しい

まあ、明日になれば腫れは落ち着くよね

ｼﾞｬｰｰｰｯと水を出して口の中を濯いだ

鉄の味は消えて、口の中はスッキリする

A「ふぅ…」

外に出ようかな

みんなにもう一度お礼言っとかなきゃ

玄関に向かい、裸足のまま靴を履き、外に出た

A「あ、豪炎寺くん」

外に出ると、そこには豪炎寺くんがいて、みんなの姿はなかった

なんだか真剣な表情を浮かべていた

どうしたんだろ、と思ったけどあたしには言わなきゃいけないことがあるのだ

A「ごめんね、豪炎寺くん」

ガバッと頭を下げる

豪炎寺「え…？」

頭を上げると、なんで謝るんだ？という表情が読み取れた

A「あたし、いつでも豪炎寺くんに会える状況だったのに怖いって理由で会いに行けなかったから……」

豪炎寺「……」

「本当にごめん」とつけたすと、いきなり抱きしめられた

A「！！？」

え？なんで抱きしめられてるの？

いやまじでなんで！！？

頭の中がパニックになっていると、
豪炎寺くんがボソッとなにか言っているのが聞こえた

A「豪炎寺くん、なんか言った？」

豪炎寺「謝らなくていい」

A「え…で、でも！」

豪炎寺くんの顔を見て言いたいから離れようとしても、豪炎寺くんはガッチリあたしの腰に手を回していて、離れられなかった

豪炎寺「それほど、今まで父親に虐待をやられてきたんだろう？」

否定なんてできなくて「…うん」と言うと、
豪炎寺くんはあたしの頭を優しく撫でる

豪炎寺「ずっと、我慢してたんだよな。
俺たちにも心配かけないようにって…

だが、もう無理はするな。

お前が傷つくのは俺にとっても辛いんだ。

全部吐き出してくれ。泣いてもいいんだ。

俺が全部受け止めてやる」

A「っ！…」

豪炎寺くん、なんにも変わってない

その優しさも温もりも全部

あたしはそっと修也の腰に腕を回した

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