No.133 引っ越し当日 ページ38
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そして、あたしたちは残りの10日間、サッカーや自分たちの街を散歩したりした
友だちの桃とも、遊んだりした
あっという間に引っ越しの前日となってしまった
A「…結局、できなかったね。必殺技」
あたしと修也は河川敷の原っぱに座っていた
修也「ああ……でも」
A「でも？」
修也「Aが引っ越した後でも、俺はこの必殺技を完成させるために練習するよ」
A「！そっか！！
あたし、引っ越してもサッカーやるから！」
修也「そうか！またいつかやろうな」
A「もちろん！
修也とまた逢ったときは、修也を抜いてみせるからね。サッカー！」
修也「ﾌｯ、楽しみだな」
A「えへへ、楽しみにしとけ！」
たわいのない話
ほんと、楽しかったな
修也といると
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そして、引っ越し当日
家まで来てくれるのはなんか申し訳なかったから
いつもの公園で待ち合わせした
A「修也！」
修也「A」
やっと外は暖かくなってきたのにあたしの心は寂しい気持ちでいっぱいだ
修也「……これ、俺から」
そう言って少し照れ臭そうに渡してきたのは、
シロツメクサを押し花にしたしおりだった
なにか貰えるなんてこれっぽっちも思ってなかったから驚きと嬉しさでいっぱいになった
A「ありがとう！！大事にする！」
修也「あとこれ、母さんから」
そう言って差し出してきたのは、あたしが修也にシロツメクサの花冠を頭につけているところだった
とても楽しそうな笑顔
A「うわぁぁ！懐かしい！
ありがとうって伝えといて！」
修也「ああ」
A「ごめん、あたしなんにも用意してなくて…」
修也「そんなの気にするな」
A「うー…
あ、そう！あの必殺技の名前考えてきたの！」
修也「おお、どんな名前だ？」
A「“ファイアトルネード”！！
もし完成したら、この名前つけてくれたら嬉しい！」
修也「わかった。必ずつけるよ」
A「ありがとう！
……また、逢おうね！修也」
あたしはそう言って、手を差し出した
修也「ああ。また、な！」
修也はあたしの差し出した手をとる
2人で固く握手をした
A「本当に、ありがとう！」
手を離す
A「……またね！！！」
あたしは修也の返事も待たずに駆け出した
修也「っ…必ず逢おうなっ！」
その言葉に、あたしは笑みがこぼれた
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作者名：るぅ | 作成日時：2017年10月6日 21時
