No.128 隠せるもの ページ33
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A「……ん…」
ぼんやりと目が覚める
…そうか、寝ちゃったのか
タバコを押し付けられた後のことはよく覚えていない
押し付けられたところを触ると、ヒリヒリして痛かった
額から血が出ていたところは、乾いていてなんだかパリパリガサガサしていた
あたしは起き上がると、水道に向かい額の血を洗い流した
もう血は固まってるし、絆創膏は必要ないだろう
でも…
A「…どうしよう」
額はまだ、前髪でほぼ隠れるから良いものの、問題はこの右手首につけられたタバコの痕だった
こんなの見られたら、修也心配するだろうし…
なんか、隠せるものないかな
タンスの中をあさっていると、お母さんから貰ったオレンジ色のリストバンドが出てきた
『もし傷つけられたら…
このリストバンドで、隠してね』
お母さんの言葉を思い出す
こういう意味だったのか…
あたしは右手首にリストバンドをつけた
.
公園に行くと、もうすでに修也がいた
A「ごめん！遅れて！」
修也「いや大丈夫だ」
すると修也はなにかに気づいたのか、
あたしの額を見つめて「どうしたんだ？その傷」と聞いてきた
あたしは思い切り「え！？」と声を出してしまった
こんなにいきなりバレるとは…
あたしは前髪を整えながら
A「えーっとね…
ぶつけちゃったんだよねー」
とヘラヘラ笑いながら言った
修也「そう、なのか」
修也は少し納得していない気がしたが、
すぐに「サッカーするか」と言い、サッカーをすることにした
.
修也「今日はここまでにするか」
A「そうだね」
修也「じゃあな！A！」
A「うん！また明日！」
お互い背を向けて、家に帰る
家に帰ると、お父さんがいて恐る恐る「ただいま…」と言うとお父さんは立ち上がってあたしに平手打ちをした
パシンッと乾いた音が部屋に響く
痛くて、お父さんが怖くて、
また泣きそうになってしまう
A「ぅ…うっ……」
父「あのガキ、いちいちうるせえんだよ！！」
A「ぅあっ！」
お父さんは、あたしのお腹に蹴りを一発かました
その夜、またお父さんから暴力を受けた
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作者名：るぅ | 作成日時：2017年10月6日 21時
