男嫌いがFFIに出るそうです【３】 (ページ29)

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No.124　俺の前でページ29

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A「あ！」

家に着くと、玄関にはお父さんの靴があった

あたしは今日の出来事をお父さんに話したくて、早歩きでお父さんいるリビングに向かった

A「ねえねえ！お父さん聞いて！」

お父さんは返事をしないが、あたしは気にせずに話を続けた

A「今日、修也の試合を観に行ったの！

すごいシュート決めててね、すごかったよ！！

それであたしも試合出てみたくて……っ！」

クラブチームに入りたい

そう言おうとしたとき、お父さんから鋭い目つきを向けられて、言葉が出なかった

どうしてそんな目、するの？

少しだけ、肩が震えた気がした

父「…っ」

お父さんは飲み物を飲み干し、口を開く

父「俺の前で楽しそうに話すな」

とても強い口調で言われた

なんだか怖くて、「はい」と返事をした

父「……明日の金」

ﾁｬﾘﾝとテーブルにご飯代が置かれた

300円

あたしは「はい」と返事をしたあと、
そそくさと別の部屋に移った

お父さんと同じ部屋にいるのはなんだか怖かったから

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父『俺の前で楽しそうに話すな』

この言葉を言われてから、あたしはお父さんと必要最低限以外は話さなくなった

でも人間というものはどうしても言いたいことがあると逆らえないときがあるものだ

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小学3年生になり、修也といつも通りに公園でサッカーをしていた

修也はなんだか浮かない顔をしていて、
少し重い空気の中、ボールパスをしていた

A「…なんかあったの？」

修也「……いや、なんでもない」

A「そっ、か」

「「………」」

…話したくないのかな

…いやでも友だちだし、相談にくらい乗って上げたい

ボールを修也の方へやると修也はボールを右足で止めたまま

A「？どしたの？」

修也「……」

返事がない

修也はただ顔を俯けていてどこか一点を見つめていた

A「修也ーーー？？」

修也に近づいて、顔を覗かせると修也はﾊｯとして「…なんだ？」と言った

A「さっきからボーッとしてるよ？

なんかあったなら言ってよ！友だちじゃん！」

ﾆｯと笑うと、修也はﾌｯと笑った

修也「…ﾌｯ、そうだな」

そしてまたしばらく黙り込んだ後、

修也はゆっくりと口を開いた

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