No.110 守ってくれていた ページ15
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ｰ木暮sideｰ
A父「久しぶりだな。夕弥」
Aさんのことが気になって、
家の中に入ると、Aさんの父ちゃんに話しかけられる
久しぶり？俺、こんな奴と会った覚えなんて…
木暮「……」
A父「忘れたのか？実の親を」
木暮・A
「「！！」」
木暮「…父ちゃん……？」
父「そうだ」
こいつが俺の…父ちゃん……
…つまり、Aさんは俺の姉ちゃんってことで
木暮「…っ、なにAさんに暴力振るってんだよ！！」
父「ﾌﾝｯ、こいつはこーなることを分かっていて俺の方に来たんだぞ？
仕方のないことさ」
木暮「！！」
こーなることを分かっていて…？
じゃあやっぱり、姉ちゃんは…俺のこと……
『お姉ちゃんが、夕弥のこと守るからね』
ｷﾞｭｯと、下唇を噛んだ
木暮「おまえ、嫌な奴だったんだな」
ｷｯと上を見上げてこいつを睨んだ
父「なんだその口の聴き方は！！」
強い口調で言われ、思わず体がﾋﾞｸｯとなった
恐る恐る目を開けると、こいつは手を振りかざしていた
ｷﾞｭｯとまた目を瞑ると、
痛みはなく、逆に暖かさを感じた
うっすらと目を開ける
木暮「！！A、さん…？」
Aさんが俺のことを抱きしめていた
とても強く
でも苦しいとは感じられなかった
父「邪魔だ！！！どけっ！！」
Aさんは背中を足で蹴られてもどかなかった
木暮「なに、やってるんだよ！
はやく、逃げろよっ！」
A「なに、言ってるの
あたし、言ったでしょ？」
そう言われ、Aさんは俺と目を合わせる
綺麗な夕焼け色の瞳が俺のことを映し出していた
A「お姉ちゃんが、夕弥のこと守るって…！」
木暮「！！」
あの時は、肩が震えていたけど
今は震えていなかった
顔は傷だらけになってて
でもその痛さを隠すかのように優しく微笑んでいた
本当に、俺のことを守ってくれていたんだ…
Aさんは、俺の………
＿＿ｷｨ
「「！！」」
後ろから、ドアが開く音がして
ﾊﾞｯと後ろを振り向いた
「なにをしているんだ」
A「か……」
木暮「監督…！」
そこには、久遠監督がいた
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作者名：るぅ | 作成日時：2017年10月6日 21時
