No.107 ストレス発散機 ページ12
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A「……っぁ…」
父「ﾌﾝｯ」
こんな無様なあたしの姿を見て鼻で笑うお父さんは叩きつけるのをやめるとあたしに「なあ」と話しかけた
A「な、なんですか？……」
お父さんは不気味に笑う
父「本当に俺が易々とお前を世界に行かせると思ったのか？」
A「……ぇ？…」
頭が追いつかない
あたしは…この家から出るために…
アジア予選を頑張ってきた
しばらくは帰らなくていいんだって…
あたしが考えているとお父さんは口を開く
父「俺はお前を世界に行かせる気など全くない」
A「！！
…ぇ？……お、おかしいです！！
あたしたち決勝戦勝ちましたよ？！
あたし、世界に行きます…！！」
必死にお父さんにそう訴えた
最後の言葉を言うときは、怖くてお父さんの目は見れなかった
目を瞑っていると、足で体を蹴られ、床に押しつけられる
父「いいか？」
グリグリと横腰当たりを押し付ける
父「お前は一生俺の、ストレス発散機なんだよ」
A「！！」
“ストレス発散機”
その言葉があたしの頭をグルグルと回る
あたしは鋭くお父さんを睨みつけてしまったが、
お父さんにとってあたしの表情はとても絶望してきた顔らしく、ｸｸｸと笑っていた
でも睨みつけたことには変わりないので
お父さんは「なんだその目は！！！」と怒鳴りつけてきた
A「ごめんなさいっ……」
父「お前を歩けなくしてやる」
A「！？」
お父さんはテーブルの上にある灰皿を手に取り、大きく上に掲げる
狙いを定めたのか、お父さんは勢いよくあたしの足をめがけて上から叩きつけようとした
A「やめてええええ！！！」
＿＿ｺﾞﾝ!!!
A「〜〜〜ｯｯ…！！」
あたしはとっさに右手を伸ばし、足には被害がないが、右手には一瞬遅れて痛みが走った
手首が曲がらないほどの痛さ
父「なにしてんだ！！！！」
あたしが足を庇ったためお父さんは怒鳴りつける
A「ごめんなさいっ……ごめ、んなさい…」
右手を抑えながら謝っていると
ﾄﾞﾀﾄﾞﾀと足音が聞こえてきた
父「なんだ！！お前たちは！！？」
お父さんは叫びながらも少し焦りが混じっているような怒鳴り声を上げた
「…お前こそ、なにやってるんだ……っ！！」
怒りに満ちあふれたその声はあたしがよく知っている声で
上半身をゆっくり起こすとそこには
A「！！
豪炎寺くん…忍…」
2人がいた＿＿＿
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作者名：るぅ | 作成日時：2017年10月6日 21時
