No.31 『嫌い』じゃなくて ページ33
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ｰ豪炎寺sideｰ
俺はコンビニの外でAのことを待っている間
さっきの夜ご飯の時のことを思い出していた
＿＿＿＿＿＿
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豪炎寺「なあ、Aって」
A『？』
豪炎寺「女子が好きなのか？」
自分でもなに言ってるんだと思った
なんでこんな発言をしたのだろう…と少し後悔をする
A「もちろんすきです！
夕香ちゃんとかまじ可愛いすぎます！！
今も見てくださいよ！！
豪炎寺くんが『よく噛んで食べろよ？』って
言ったら、ずっと噛んでるんですよ！？
一心不乱に。可愛すぎます！！」
目をキラキラと輝かせて、そう言ったA
その姿に俺は少しフッと笑ってしまった
話に夢中になるところは変わってないな…
A「それに引き換え…男の人は…」
さっきまで楽しそうだった声のトーンが少し暗くなった
顔を俯け、俺と目を合わせない
A「大きくて、ごつくて、
なんでも力任せで……
―――――怖い」
.
豪炎寺「(『怖い』…？『嫌い』じゃなくて…？)」
……俺は、それ以上はなにも聞けなかった
＿＿ｶﾞｰｰｯ
コンビニの自動ドアが開き、Aが帰ってきた
A「はいどうぞ！」
そう笑顔で差し出してきたのは、アイスクリームだった
豪炎寺「アイス…？」
A「あれ、嫌いでしたっけ？」
豪炎寺「いや、嫌いじゃないぞ。
なんで俺の分まで？」
A「だって、1人で食べるより、
2人で食べる方が美味しいじゃないですか！
はい！」
豪炎寺「…ﾊﾊｯ、ありがとな」
俺はアイスを受け取る
ソーダ味が俺の口の中をさっぱりさせた
…美味いな
A「…よかったです！」
俺の前を歩くAは立ち止まり、俺の方を振り向いた
豪炎寺「なにがだ？」
A「なんにも、変わってなくて！」
豪炎寺「……え？」
なんにも、変わっていない？
…どういうことだ？
A「出会った頃から、今の豪炎寺くんが
ってことです！」
ﾆｯと笑って、また歩き出したA
…変わらないことが、
Aにとって嬉しい…のか？
その理由は、今の俺には分からなかった
.
でも後々、分かることになる＿＿＿
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作者名：るぅ | 作成日時：2017年9月22日 19時
