32本目「濃度」 ページ36
何を言っているのか理解できないとーじろーの言葉にけらけらと笑う晴とA。
「お前ら飲みすぎなぁ…?
水とってくっから。」
そう言って立ち上がろうとすると、隣から控えめに手を掴まれる。
「けーくんどこいくの?」
「キッチン。」
「あまがさもいく〜!」
「いや待ってろ。
お前が1番アルコールの濃度高いんだわ。」
とーじろーはサワーやカクテル。
晴は日本酒やとーじろーのサワーをもらったりしている。
炭酸が得意でないこいつはずっと赤ワインを飲み、1人でボトルを1本空けている。しかも時々みんなから別のものをもらったりしている。
「いいの〜」
「よくねぇの。大人しくしてろ。」
適当に結んできたと言っていた事で、晴の家に着いた途端とーじろーによって綺麗に巻かれた髪をくしゃくしゃと子供のように撫でる。
「おいていくの?」
「置いて行くって…そんな距離でもねぇだろ……
だぁぁ…もうほれ、手貸せ。」
ちゃんと立ち上がってAの片手を取り、空いた手を腰に手を回して一緒に立ち上がらせてやる。
「ふらっふらじゃねぇか…」
立った反動でそのまま俺に抱きつくA。
「ん〜〜〜ポチ〜〜〜!
おひさまのかおりだね〜〜」
ぐりぐりとこちらに頭を擦り付けるこいつに正論を一言浴びせる。
「お前犬飼った事ねぇだろ。」
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作者名:めぐ | 作成日時:2023年3月21日 8時