太宰さんと腹痛。1 ページ5
『ううう』
太「ホットミルク飲める?」
足のないソファーの上、毛布とお腹を抱えて三角座りで丸まっている私に、勝手にキッチン借りちゃった。と言いながら、マグカップを手渡してくれる治さん。
『ありがとうございます…』
それを受け取り、少しだけコクリと飲み込む。じんわりと体に広がっていのを感じる。
太「ちょっとお砂糖も入れてみたんだけどどうかな。」
くんっと軽く首を縦に振る。
太「それは良かった。」
美味しいけれど、そんなにお腹に入れる気にもなれず、ただマグカップを持っていると、それを取り上げられ、目の前の机上に置かれた。
太「無理して飲もうとしなくていいよ。」
『いえ、そんなんじゃなくて…』
1ヶ月に1度、確実に情緒不安定な1週間。何故女に生まれてしまったのだろうという後悔さえ脳を過る。
太「あ、美味しくないなら飲まなくていい、みたいな事じゃなくて、あんまり胃を無理させると良くない。
それに私もお腹痛い時は飲み物さえ飲む気にならないからね。」
女性のその痛みは私の腹痛なんかより断然酷いだろう。と柔らかな笑みを向ける治さんはまるで聖母。
太「あ、そうだ。ホッカイロ。さっき来る時に買ってきたのだよ。」
キッチンに戻った彼がガサガサとビニールを触る音が聞こえ、何かを取り出したのが感じられた。
じゃーん。貼るホッカイロ。なんて自分で効果音を発しながら箱を開封していく。個包装のビニールを破き、私の部屋着の腰元にぺたりと貼った。まだ何も感じられない。早く化学変化起こらないかな…。
太「薬は飲んだ?」
『飲んだ…けど』
太「まあ薬なんてそんなもんだよね。そのうち気付いたら効いてた、みたいなもんさ。」
話しながら封を開け、もう一つホッカイロを何処かに貼ろうとしている。
太「足元、貼ってもいいかい?」
『はい』
取り敢えず返事をすると、太宰さんは私の目の前に膝をついて座った。ぎゅっと固く三角座りをしていた足を踵を持って少しだけ前に引かれ、ソファーから足の裏が離れ、太宰さんの太腿の上に置かれる。ルームウェアの隙間ができたふくらはぎの所に、ぺたりとそれを貼る。もう片足にも、とビニールをペリペリと剥がしている。
ラッキーアイテム
外套
168人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月 - めぐ様の作品いつも楽しみに、見させてもらってます!太宰さんの一言一言でニヤけてしまいます(笑)これからも、番外編楽しみにしています!めぐ様、応援しています!! (2020年5月27日 21時) (レス) id: 40d6e906a3 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - お返事ありがとうございます!いつも素敵な作品ありがとうございます。このご時世なので体調はお大事にして下さいね (2020年5月16日 23時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ニケさん» 読んでいただきありがとうございます!異能!たしかに番外編ではあまり触れていませんでしたね!教えてくださってありがとうございます! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - シリーズ読ませて頂いてます!太宰さんと主人公のほのぼの感がとても好きで、ストーリーが面白いです!私は主人公の異能絡みの話を読んでみたいです!(主人公の異能の成長さや、狙われるとか…です!)厚かましくすみません。更新頑張って下さい!応援してます (2020年5月16日 16時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ぽっくさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夜しか眠れないのなら集中してじっくり眠ってくださいね!(?)これからも応援よろしくお願いします(〃'▽'〃) (2020年5月11日 14時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月27日 17時