太宰さんと任務。1 ページ25
太「まだつかないの〜?」
『あと少しですよ。』
敦「Aさん、そこですかね?」
廃工場が見える。最近まで使われていたのか、割と綺麗だ。
太「此処だ。此処に売られる前の少女達がいるはずだ。」
今回の仕事は少女誘拐事件の解決。何人もの少女が誘拐されている。いくつかの誘拐の現場の監視カメラでは黒のワゴン車がよく見られた。そして此処、この廃工場へ入って行くワゴン車を見た者がいるらしい。
廃工場を覗く。人の気配は今の所ない。小さく泣き声が聞こえる。目を瞑って耳を澄ます。
敦「Aさん?」
太「敦くん、静かに。」
敦「?」
『上です。大人が2人と子供が3人…と一人違う部屋にいる。』
目を開けて治さんの方を振り返って告げる。
太「誘拐されたのは4人。数は合うね。」
敦「す、すごいです…其れも異能ですか?」
『耳が少しいいだけだよ。さ、進もう。』
まだ進んでも大丈夫そうなので、3人でてくてくと工場内を進む。工場の階段の前まで来た時、上から足音がした。
『まずいです、降りてきます。』
敦「どどどどうしたら!?」
太「此処、入れそう。」
階段の脇にあった小さな扉を開けながら指差す。治さんは敦くんを引っ張り、中に飛ばす。
敦「痛!?」
太「中大丈夫そうだね。Aちゃん、おいで。」
手を出されたのでその手をとる。ぐいっと引っ張られて、背中から押し込まれる。バランスを崩して後ろに倒れる。が、先に敦くんがいた為、敦くんの足の間に入る形で抱きとめれた。
敦「大丈夫ですか?」
『ありがとう…』
治さんも入り、扉が閉じられる。真っ暗で何も見えないが、治さんが目の前にいる。私の足の間に治さんが居るのだけは分かる。
敦「此処大丈夫なんですよね?」
『!?』
びくっと体が動いてしまった。
敦「Aさん?」
『う、ごめん…』
治さんは軽く私の頭に手を添えて、自身の方へ引き寄せた。と言っても狭いのでそこまで変わらないのだが。
太「敦くん、ごめん。Aちゃんの首に息吹きかけないであげて。」
敦「すすすすみません!」
見えないだけで他の感覚が研ぎ澄まされてしまっているのだ。私は悪くない。
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月 - めぐ様の作品いつも楽しみに、見させてもらってます!太宰さんの一言一言でニヤけてしまいます(笑)これからも、番外編楽しみにしています!めぐ様、応援しています!! (2020年5月27日 21時) (レス) id: 40d6e906a3 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - お返事ありがとうございます!いつも素敵な作品ありがとうございます。このご時世なので体調はお大事にして下さいね (2020年5月16日 23時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ニケさん» 読んでいただきありがとうございます!異能!たしかに番外編ではあまり触れていませんでしたね!教えてくださってありがとうございます! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - シリーズ読ませて頂いてます!太宰さんと主人公のほのぼの感がとても好きで、ストーリーが面白いです!私は主人公の異能絡みの話を読んでみたいです!(主人公の異能の成長さや、狙われるとか…です!)厚かましくすみません。更新頑張って下さい!応援してます (2020年5月16日 16時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ぽっくさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夜しか眠れないのなら集中してじっくり眠ってくださいね!(?)これからも応援よろしくお願いします(〃'▽'〃) (2020年5月11日 14時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月27日 17時